2017年9月8日から12日までスペイン・マドリードで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO)にて、進行性尿路上皮がん(膀胱がん、尿道がん、尿管がん・腎盂がん)患者に対する二次治療としてのペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)単剤療法が全生存期間(OS)を有意に延長することを証明した第III相試験(KEYNOTE-045;NCT02256436)の追跡結果がオランダのエラスムス・センターのRonald de Wit氏より報告された。

本試験は、プラチナ製剤ベースの化学療法後に進行または再発した尿路上皮がん患者を対象に2次治療としてキイトルーダを投与する群(N=272人)、主治医判断による化学療法(パクリタキセル、ドセタキセル、ビンフルニンのいずれか)を投与する群(N=270人)に無作為に振り分け、主要評価項目である全生存期間(OS)を比較検証した第III相試験である。

今回の発表は本試験のフォローアップ期間22.5ヶ月時点での解析結果であるが、前回の解析時点⋆と同様に全生存期間(OS)中央値は主治医判断による化学療法群7.4ヶ月に対してキイトルーダ群10.3ヶ月(ハザード比0.70-0.73、p=0.0003)と有意に延長することを証明した。

一方、無増悪生存期間(PFS)中央値は主治医判断による化学療法群2.1ヶ月に対してキイトルーダ群3.3ヶ月(ハザード比0.96、p=0.32)と有意に延長することは証明できなかった。本件に関してイギリスのウォーリック大学がん研究センターのMaria De Santis氏は下記のようなコメントを述べている。

“無増悪生存期間(PFS)中央値は対照群に対してペムブロリズマブの優越性を証明できなかった。しかし、無増悪生存期間(PFS)の曲線は6ヶ月以降にペムブロリズマブ群優位に差が開き出す。また本研究で重要なことは無増悪生存期間(PFS)で優越性を証明できなかったこと以上に、昨年に報告された全生存期間(OS)のハザード比0.73時点より0.70時点、つまりデータが成熟した時点における今回の解析でも全生存期間(OS)の優越性がペムブロリズマブ群で証明されたことである”

また、治療に関連した有害事象はキイトルーダ群が62.0%であるのに対して、主治医判断による化学療法群では90.6%の患者で確認されている。この有害事象の発症率の少なさの影響なのか、治療開始15週時点における患者のQOLスコアはキイトルーダ群の方が良好であることも本研究で証明されている。なお、キイトルーダに対して良好な奏効期間を示した20%の患者では重篤な有害事象の発症率が低率であることが判っている。

以上のように、本報告によりプラチナ製剤ベースの化学療法後に進行または再発した尿路上皮がん患者に対する2次治療としてキイトルーダを長期投与する意義が証明された。キイトルーダは抗PD-1/PD-L1抗体薬としては世界で初めて進行尿路上皮がん患者に対して全生存期間(OS)の優越性を実証した薬であることから、今後このような患者を対象とした治療の標準治療となり得る可能性がありうる。

なお、日本においても、2017年4月28日に「局所進行性または転移性の尿路上皮がん」に対する効能・効果について製造販売承認事項一部変更承認申請されており、早期承認が期待される。

⋆尿路上皮がん キイトルーダが二次治療で有効、初回療法では化学療法より有望な可能性 NEJM&ASCO-GU2017<動画有>(オンコロニュース2017.03.22)

ESMO 2017 Press Release: Mature Results Favour Pembrolizumab As Second-line Treatment For Bladder Cancer(ESMO News Release)

Pembrolizumab (pembro) versus paclitaxel, docetaxel, or vinflunine for recurrent, advanced urothelial cancer (UC): mature results from the phase 3 KEYNOTE-045 trial.(ESM2017 Abstract No.LBA37)


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