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結果 → 良好な結果
◆奏効率(一定以上腫瘍が縮小した患者の割合) 【1次治療でアテゾリズマブを使用した患者】 ・PD-L1がより多く発現している患者(65人中):26%、 ・PD-L1が多く発現している患者(139人中):19% 【2次治療でアテロリズマブを使用した患者】 ・PD-L1がより多く発現している患者(122人中):24% ・PD-L1が多く発現している患者(267人中):17% 【3次以降でアテゾリズマブを使用した患者】 ・PD-L1がより多く発現している患者(115人中):27% ・PD-L1が多く発現している患者(253人中):17% ◆ 6カ月生存率 ・1次治療でアテゾリズマブを使用した患者:82% ・2次治療でアテゾリズマブを使用した患者:76% ・3次治療でアテゾリズマブを使用した患者:71% この6カ月生存率の結果は、2次治療もしくは3次治療としてアテゾリズマブとドセタキセル(タキソテール)を比較した第3相臨床試験の結果と一致していたということも付随して発表。 ◆全生存期間 統計学的上未到達(一部除く) ◆ 安全性 アテゾリズマブの先行研究で報告された結果と一致しており、治療時期による毒性の大きな違いも見られなかった。 ・治療関連のグレード3/4(中等度から重度)の有害事象は11%であり、 肺炎(1.5%)、AST上昇(0.8%)、大腸炎(0.5%)、甲状腺機能低下(0.3%)、発疹(0.3%) ・有害事象による治療中止は5% ・治療関連のグレード5(重度)の有害事象は0.2% ・5%以上に見られた治療関連有害事象は、倦怠感、下痢、悪心、そう痒、発熱、食欲不振、無力症、発疹、関節痛 以上から、Benjamin Besse氏は「PD-L1陽性の進行非小細胞肺癌患者において、アテゾリズマブの臨床的有効性が示されたと、またPD-L1発現が高いほど抗腫瘍効果は高く、アテゾリズマブ治療により有用性が得られる非小細胞肺がん患者を同定できる可能性がある」と締めくくっています。 参考:ESMO Commentary: Atezolizumab Set to Change Refractory Lung Cancer Treatment 【上記試験の詳細】 clinical trials.gov(英語) JAPIC-CTI(日本語) 【アテゾリズマブについて】 免疫チェックポイント阻害薬であるアテゾリズマブ(治験薬コードMPDL3280A)はPD-L1阻害薬となり、先に小野薬品工業より非小細胞がん適応のために申請されている発表されているPD-1阻害薬であるニボルマブ(オプジーボ)とは異なります。国内では、非小細胞肺がんを対象とした第2相国際共同治験および第3相国際共同治験、膀胱がんを対象とした第3相国際共同治験、腎細胞がんを対象とした第3相国際共同治験を実施しているとのことです。 【アテゾリズマブの募集中の臨床試験情報(オンコロ内またはJAPIC-CTIより)】 ステージ4扁平上皮非小細胞肺がんに関する免疫チェックポイント阻害薬(アテゾリズマブ)の第3相試験(オンコロ内) ステージ4非扁平上皮非小細胞肺がんに関する免疫チェックポイント阻害薬(アテゾリズマブ)の第3相試験(オンコロ内) IV期非扁平上皮NSCLC患者におけるMPDL3280Aとシスプラチン若しくはカルボプラチン+ペメトレキセドの比較試験(JAPIC) 局所進行又は転移性尿路上皮膀胱癌患者を対象としたMPDL3280A と化学療法を比較する第III相臨床試験(JAPIC) 【関連記事】 非小細胞肺がん 免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブ 第2相試験で良好な成績(オンコロニュース20150821) 参考