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2021年、がん免疫療法の周術期治療における可能性

[公開日] 2021.02.09[最終更新日] 2021.02.09

目次

※本記事はEvaluate社の許可のもと、オンコロが翻訳したものです。内容および解釈については英語の原文を優先します。正確な内容については原文をお読みください。

 

キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)は乳がんの術前・術後補助療法として間もなく承認される可能性があるが、肺がんに対するアジュバント療法という、より大きな適応が2021年に大きな山場を迎える。

主要な抗PD-(L)1治療薬は、術前と術後の補助療法としてはがん治療に大きく貢献していないが、アナリストの間では、これらの適応がピーク時の売上高に数十億ドルを追加する可能性があるとの見方が強まっている。そして2021年は、ついにブレークスルーが訪れる年となるかもしれない。

規制当局面では、米国FDAは3月に米メルク社のキイトルーダについて周術期の乳がん治療薬としての承認を判断する。しかし、2021年の山場はメルク社とスイス・ロシュ社の間にあり、メルク社の試験結果はより巨大な潜在的市場、すなわち肺がんの補助療法の市場を開拓する可能性がある。

問題の試験はKeynote-091とImpower-010だ。どちらも試験デザインは似ているが、前者は盲検化されているのに対し、後者は非盲検である。ロシュ社の試験のタイミングが約1年遅れている中で、両試験ともに今年中に結果が出る可能性がある。

適応拡大の大きな可能性

ある意味、抗PD-(L)1治療薬の周術期の使用が示している現在の可能性は、数年前の転移性がんにおけるそれと類似している。2014年、キイトルーダと米ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社のオプジーボ(一般名:ニボルマブ)が取得した最初の適応症はメラノーマ(悪性黒色腫)だったが、非小細胞肺がん(NSCLC)の適応がメガブロックバスターへの切符だった。

オプジーボとキイトルーダはすでにメラノーマの術後補助療法として承認されているが、これは今のところ免疫チェックポイント抗体のラベルに記載されている唯一の周術期の適応である。先週(1月20日)、オプジーボはCheckmate-577試験の結果に基づいて胃がんの術後補助療法として承認申請されたが、これも比較的ニッチな適応である。

トリプルネガティブ乳がん(TBNC)が次の大きな決戦の場となることが予想されているが、今のところメルク社はロシュ社に勝っているようだ。これまでのところ、このスイスの会社(ロシュ社)の勝利は、Impassion-031試験のネオアジュバント療法(腫瘍を除去するために術前に薬剤を投与する療法)に限定されている。

しかし、メルク社はKeynote-522試験で大勝利を収めた。この試験はネオアジュバント療法と同様にアジュバント療法も含む。後者は術後に薬剤を投与することで残存するがん細胞が進行する前に取り除く方法であり、前者よりもはるかに大きな機会があると見なされている。

このような試験デザインの巧妙さは、周術期のTNBC治療において、キイトルーダが先手を打つ優位性を与える可能性がある。米国では3月29日が申請の実行日となっているが、それ以前の2月9日には諮問委員会が開催される。メルク社は、ネオアジュバント療法であるキイトルーダ+化学療法とそれに続くアジュバント療法としてのキイトルーダ単剤療法の承認を求めることを確認した。

諮問委員会が推奨するか、そしてFDAが同意するかどうか。このような広範囲の適応追加は、投資家にとって大きな問題だ。しかし、米バーンスタイン社のアナリストは、Keynote-522試験はすべてのがんを対象とするキイトルーダの“パン-アジュバント”としての2028年までの売上である72億ドルを裏付ける要素のひとつであり、それ自体が、2025年には140億ドルから250億ドルに増加するキイトルーダ全体の売上の大部分を占めると考えている。

肺がん

もちろん、最大の貢献者はNSCLCであろう。興味深いことに、ここで最初に勝利を収めたのはメルク社ではなくブリストル社であり、昨年10月、ネオアジュバント療法としてのオプジーボを評価したCheckmate-816試験では、病理学的完全奏効(pCR)が認められた。

しかし、アジュバント療法はネオアジュバント療法よりもはるかに巨大な市場となる可能性があり、NSCLCにおいてpCRが承認可能な主要評価項目であるかどうかは明らかではない(第2の主要評価項目である無再発生存期間はまだ先の話だ)。おそらく、ここでの申請受領の最大の意義は、それに関連するエンドポイントに対するFDAのスタンスを明らかにすることだろう。

NSCLCに対するアジュバント療法としてのオプジーボは、キイトルーダとテセントリック(一般名:アテゾリズマブ)から数年遅れをとっており、また4番目のがん免疫療法薬メーカーである英アストラゼネカ社のMermaid-1試験は2024年に終了予定である。

慎重な投資家は、膀胱がんと卵巣がんを対象としたImvigor-010試験とImagyn-050試験でのテセントリックの失敗を指摘するだろう。しかし、NSCLCはメラノーマと同様に比較的免疫原性が高いと考えられており、そのため、免疫チェックポイント阻害薬の次の成長領域を探している人々には、楽観的である根拠がある。

■出典
The year immuno-oncology could break into perioperative settings

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