※本記事はEvaluate社の許可のもと、オンコロが翻訳したものです。内容および解釈については英語の原文を優先します。正確な内容については原文をお読みください。
卵巣がんにおける強烈なデータにより、イミュノジェン社のElahereが承認される見込みとなったが、Sutro社の投資家はこのリスクを軽視しているようだ。 対照試験が単一コホート試験で得られた結果を達成するだけでなく、それを上回る結果を出すことは珍しいことであるが、米イミュノジェン社の抗FRα抗体薬物複合体Elahere(一般名:ミルベツキシマブ ソラブタンシン)の無作為化試験であるMirasol試験では、それが起こったようだ。 このデータは、米国での早期承認につながったSoraya試験でElahereが示した結果を裏付けるものであり、今年末の正式な承認に向けて軌道に乗ったといえる。もしこれが実現すれば、米Sutro社は、Luveltamab Tazevibulin(製品名:Luvelta)がより広い患者集団を対象とすることができると規制当局に説得されない限り、同様のプロジェクトであるLuveltaの早期承認を主張することは難しくなる。 Soraya試験とMirasol試験は、FRα発現量の多い再発卵巣がん患者を対象としているが、Sutro社は、LuveltaはFRα発現量の少ない患者にも対応できると主張している。しかし、そのような主張に対して、強力な根拠となるような詳細データは得られていない。 正式な承認が間近に迫っている? 重大な副作用がなければ、イミュノジェン社のElahereは米国で承認される見込みがあるようだ。Mirasol試験 は、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)において、進行または死亡のリスクを 30%減少させることを目標に設定されていたが、それ以上の効果が得られている。 実際、Elahereは化学療法単独に対して35%の進行または死亡のリスク減少を示した。アナリストは、化学療法がPFSの中央値3.5ヶ月程度であるのに対して、1.5ヶ月の優位性を期待していたが、Mirasol試験では、化学療法が4ヶ月と予想以上に高い値を示したのに対して、Elahereは5.6カ月という結果を示し、これを達成した。 全生存期間(OS)は、Elahereが死亡リスクを33%減少させた(p=0.0046)ことで、画期的な成果となった。イミュノジェン社は以前、Soraya試験がMirasol試験よりも重症の患者を対象としていることに注意を促していたが、Elahereの有用性がそれほど明確に出ないというリスクは、後者では払拭された。 全奏効率(ORR)は患者集団の違いを反映しており、Mirasol試験のORRはSoraya試験のものより10%高く、Sutro社の投資家は、FRα高発現群で得られたLuveltaのスコアより高いことに注目している。
■出典
mirasol-knockout-puts-pressure-sutro