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上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤による治療歴を有する上皮成長因子受容体T790M変異陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺癌患者を対象に、AZD9291単剤投与とMEDI4736との併用投与での有効性及び安全性を比較検討する、第3相多施設共同非盲検無作為化試験(CAURAL)
対象がん種 | 非小細胞肺がん |
フェーズ | P3 |
実施期間 | 2014年6月~2017年8月 |
実施国 | 日本、アメリカ、オーストラリア、ベルギー、カナダ、香港、イタリア、韓国、スペイン、スイス、台湾、イギリス |
目標症例 | 350 |
状況 | 募集終了 |
手法 | ランダム化、オープンラベル |
被験薬名 | AZD9291 (一般名: -----、 商品名:-----)、MEDI4736 (一般名:デュルバルマブ、 商品名:-----) |
種類 | EGFRチロシンキナーゼ阻害剤 |
投与経路 | 経口薬剤、注射薬剤 |
試験概要
<専門的な説明>
上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤による治療歴を有する上皮成長因子受容体T790M変異陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺癌患者を対象に、AZD9291単剤投与とMEDI4736との併用投与での有効性及び安全性を比較検討する、第3相多施設共同非盲検無作為化試験<一般的な説明>
上皮成長因子受容体T790M変異陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺がん患者で、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤による治療を受けたことのある方に対して、第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬AZD9291を単剤で投与する場合と免疫チェックポイント阻害薬MEDI4736との併用で投与する場合の2群に分けて、その有効性と安全性を比較する試験です。治験薬剤の説明
<専門的な説明>
AZD9291は、現在開発中の選択性の高い不可逆的阻害剤で、野生型EGFRには作用せず、EGFR活性化変異 と耐性遺伝子変異であるT790Mの双方を阻害します アストラゼネカプレスリリースより(http://www.astrazeneca.co.jp/media/pressrelease/Article/20141002)<一般的な説明>
【AZD9291】 細胞の表面には上皮増殖因子(EGFR)というタンパク質が存在し、この遺伝子に変異があると、細胞はがん化します。この場合、EGFRの働きを阻害するEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)の投与が有効ですが、使用を続けるとEGFR遺伝子は耐性を獲得した状態(T790抵抗性変異)になり、薬剤が効かなくなってしまいます。AZD9291はEGFRの変異とT790抵抗性変異を阻害する薬剤です。 【MEDI4736(デュルバルマブ)】 通常、細菌等の異物が体内に認められたときに免疫細胞が攻撃します。一方、がん細胞は免疫細胞から異物と認められないような機能を有しますが、その時にPD-L1というタンパク質がかかわっています。MEDI4736(デュルバルマブ)はその機能を無効にできると期待されており、その結果、がん細胞を異物であると認識することができるようになります。がん細胞を異物と認識できるようになると、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようになります。主な参加条件等
この試験の対象となりうる方
- 20歳以上の方
- EGFR-TKI感受性との関連が知られているEGFR遺伝子変異が確認されている方
- その他のEGFR-TKIによる過去の治療中に病勢進行が確認されている方
- 生検サンプルにて、T790M陽性が確認された方(治験実施施設で確認)
- CT又はMRI検査で直径10mm以上の測定可能病変を1つ以上有する方
- WHO performance statusが0~1の方
この試験の対象とならない方
- EGFR-TKIによる治療を薬剤を一定期間内に受けたことのある方
- 活動性の原発性免疫不全症候群の既往歴がある方
- 髄膜転移又は脊髄圧迫がある方、他の原発性悪性腫瘍の既往歴のある方
- コントロール不良の併発疾患、心疾患を有する方
- 間質性肺疾患、薬剤性間質性肺疾患、ステロイド治療を必要とした放射線性肺臓炎の既往歴がある方
- 活動性の自己免疫疾患又は炎症性疾患に罹患しているか、又は治験薬投与前の過去3年以内にこれらの疾患の既往歴がある方
- 免疫抑制剤を必要とする臓器移植歴のある方、結核の罹患歴がある方
- 他の抗CTLA-4抗体(ヤーボイ等)、抗PD-1抗体(オプジーボ等)、抗PD-L1抗体及び抗PD-L2抗体等による免疫療法の施行歴がある方