固形癌の新薬ラロトレクチニブについて

免疫チェックポイント阻害剤であるオプジーボ(ニボルマブ)キイトルーダ(ペムブロリズマブ)が注目されている理由の1つとして癌種に問わず効果があることが挙げられます。

悪性黒色腫(メラノーマ)、肺癌、胃癌、尿路上皮癌、乳癌、大腸癌など、免疫チェックポイント阻害剤は癌の発生場所に関係なく、既存の治療薬と比較して高い効果を示すからこそ画期的と言われる所以です。

このような癌種に問わず効果のある画期的な新薬が、2017年の終わりから2018年の始めにかけてアメリカで上市予定です。さらに、その新薬は癌種だけでなく子供から大人まで、つまり年齢に問わず効果が期待できるためことさら画期的なのです。その新薬の名前は

ラロトレクチニブ

です。ラロトレクチニブはトロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)融合タンパク質を選択的に阻害する画期的な新薬です。TRK融合遺伝子異常は肺癌、胃癌、大腸癌など一般的な癌患者の約0.5%〜1%に生じ、唾液腺癌、乳児性線維肉腫のような稀な癌には90%以上で生じると考えられています。

米国における患者数は1500〜5000人とされ、対象患者は非常に少ないですがその効果は非常に高いです。ラロトレクチニブのその効果の高さは今年のASCO(米国臨床腫瘍学会)でも既に実証済みです。

生後4ヶ月から76歳までと幅広い年齢の17種(大腸癌、肺癌、サルコーマなど)の癌患者に対してラロトレクチニブが投与された試験では、50人中38人に奏効が確認でき、6人の患者はCR(完全奏効)を達成したのです。

癌でなく患者個々の遺伝子に応じて最適な治療を選択するプレシジョンメディシン(精密医療)の実現がラロトレクチニブにより可能になる日も近いでしょう。

ラロトレクチニブの添付文書情報(仮)

製品名

未定

一般名

ラロトレクチニブ(Larotrectinib)

用法用量

未定(ラロトレクチニブとして1日2回経口投与する)

効能効果

未定(TRK融合遺伝子陽性の進行固形癌)

主な副作用

未定(疲労、めまい、悪心)

製造承認日

未定

ラロトレクチニブの作用機序

ラロトレクチニブはトロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)融合タンパクを選択的に阻害することで抗腫瘍効果を発揮します。

ラロトレクチニブの最新文献

1)A Next-Generation TRK Kinase Inhibitor Overcomes Acquired Resistance to Prior TRK Kinase Inhibition in Patients with TRK Fusion-Positive Solid Tumors

文献の概要

トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)融合タンパクを選択的に阻害するラロトレクチニブは、TRK融合陽性固形癌患者に対して有効性を示します。ラロトレクチニブが画期的な新薬と呼ばれる所以は他の薬剤では獲得抵抗性が生じた癌細胞に対しても有効性を示すことです。

文献の出典

Cancerdiscovery

文献の発刊日

2017年6月3日

ラロトレクチニブの口コミ

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その他医療関係者のコメント

ラロトレクチニブの治験情報

1)Study of LOXO-101 (Larotrectinib) in Subjects With NTRK Fusion Positive Solid Tumors (NAVIGATE)

治験の概要

TRK融合遺伝子陽性の進行固形癌患者に対してラロトレクチニブを投与し、RR(奏効率)を検証する治験

治験の期限

2018年4月

参考資料

1)Loxo Oncology, Inc.プレスリリース


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