※本記事はEvaluate社の許可のもと、オンコロが翻訳したものです。内容および解釈については英語の原文を優先します。正確な内容については原文をお読みください。
アムジェンのCodebreak-200試験の確認は、ESMOのプレジデンシャルセッションで意外にも注目演題として取り上げられる。 KRAS阻害剤をめぐる長年の戦いにおいて、アムジェン社が米Mirati社をいかにしてたびたび打ち負かしてきたかということがよく話題になる。昨日(2022年8月31日)、米アムジェン社は、ルマケラス(一般名:ソトラシブ)の試験であるCodebreak-200のデータを、8日後に始まるESMOの注目演題として採択させることに成功した。ESMOの注目演題の提出期限は8月9日だったが、アムジェン社は2日前にCodebreak-200を発表したばかりである。もちろんアムジェン社は発表する前から結果を把握していただろうし、もしそれに加えてコネを使ってESMOに許可を出すよう説得したのであれば、今回も上手く立ち回ったということだろう。 ESMOの最新の演題が8月18日に公開されたが、LBA10という1枠が空白になっているのが目立っていた。そして昨日ESMOのサイトに、LBA10のタイトルとして"sotorasib versus docetaxel for previously treated NSCLC with KRAS G12C mutation, Codebreak-200 phase 3 study" が掲載された。この演題は、9月12日のプレジデンシャルシンポジウムでヨーロッパ時間の午後5時40分に発表される予定である。 アムジェン社はEvaluateのVantageチームに対し、ESMOに間に合うようにデータを用意できることを見越して、大会主催者に“見せかけの”抄録を提出したことを明かした。投資家は、同社グループの強力なコネクションを歓迎するだろう。例えば、同社のオンコロジー担当の上級副社長であるJean-Charles Soria氏は、ヨーロッパ屈指のがん専門病院と言われるGustave Roussyにて15年間勤務し、直近では病院長として働いていたことは注目に値する。 ESMO 2022大会の副大会長は、Gustave Roussyの腫瘍内科医であるFabrice André氏である。彼は最近、ESMO 2022は20年後に記憶される学会になるだろうとツイートしていた。
アムジェン社にとってもMirati社にとっても、今問題なのは、Codebreak-200がどのくらい優れたデータかということである。アムジェン社は、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)において、ドセタキセルに対する「統計的有意性な延長効果」を示したとだけと発表している。 Codebreak-200では、PD-(L)1阻害による全身治療が1回効かなくなった患者を対象としたため、何を評価すべきかということに関して前例がほとんどない。米Wells Fargo社のアナリストは、化学療法が4ヶ月以下であるのに対し、ルマクラスのPFSが6ヶ月以上であれば、「優れたデータ」であると見なしている。しかし、米ギリアド・サイエンシズ社のTrodelvyと英アストラゼネカ社/第一三共 株式会社のdatopotamabは、PD-(L)1後の非小細胞肺がん(NSCLC)患者においてドセタキセルの代替となることを目指しており、ルマケラスの普及のためには、併用が鍵になるだろうとも述べている。アムジェン社は、ここでは良い結果を得ていない。世界肺癌学会において、ルマケラスとPD-(L)1阻害剤の併用により予想外のレベルの肝毒性を示すデータが発表された。 ESMOでは、大腸がんを対象としたルマケラスとパニツムマブ(一般名:ベクティビックス)の併用の試験Codebreak-101と、同じく大腸がんを対象としたMirati社のadagrasibの試験Krystal-1のデータが別途取り上げられる予定である。 Mirati社の株主はCodebreak-200のトップラインを歓迎しているようで、昨日株価は9%上昇したが、NSCLCでは問題を抱えている。 アダグラシブの米国での早期承認申請には12月14日の期日があるが、それまでに米国食品医薬品局(FDA)が(Codebreak-200を根拠に)ルマケラスを正式に承認した場合、Evaluate Vantageが主張しているように、adagrasibが奏効率(ORR)という代替エンドポイントに基づく承認を取得することは難しくなるだろう。 しかしながら、ルマクラスの正式な承認は、決して確実なものではない。それは、Codebreak-200における効果の大きさと、FDAが二次治療のエンドポイントとしてPFSを適切と考えるかどうかに左右されるだろう。全生存期間に(OS)ついては何も言及されていないが、これは試験の副次的な有効性評価項目に含まれている。 Mirati社とアムジェン社の投資家は、ともに数ヶ月間緊迫した状態を強いられることになる。Without disclosing what will be presented, #ESMO22 will be for sure a conference that colleagues will remember 20 years after , given the wealth of innovation + new concepts on the clinical trials side
— FabriceAndre (@FAndreMD) August 22, 2022