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高齢がん患者に対する高齢者機能評価とマネジメント介入、治療継続と安全性の改善に有望か ASCO 2025

[公開日] 2025.06.17[最終更新日] 2025.06.13

2025年5月30日-6月3日、米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)にて、高齢進行・再発がん患者のニーズに即した治療選択・継続のためのアプリケーションを活用した高齢者機能評価(GA)*とマネジメント強化による支援プログラムの有効性を評価したランダム化比較試験J-SUPPORT 2101の結果が発表された。 *高齢者機能評価(GA)とは高齢者の身体的、精神的、心理社会的な問題を多面的に評価する老年医学の手法

試験デザイン

対象

進行・再発消化器がんを有し、ベースライン時にウェブベースのアプリケーションで評価したGAの少なくとも1つの領域で障害が認められた70歳以上の患者

方法

試験群:ランダム化後の初回外来受診時に、GAの評価に基づいたマネジメント(GAM)推奨事項と質問リストを患者へ提供し、医師と共有→5ヶ月間の月次レビュー(n=108) 対照群:通常診療(n=107)

評価項目

主要評価項目 ランダム化後の初回外来日における老化関連の懸念事項に関する会話数 副次評価項目 グレード3-5の有害事象の発生率、用量変更、早期治療中止、3ヶ月間の予定外の入院、6ヶ月時点の全生存率、3ヶ月および6ヶ月時点のQOLと患者満足度

結果

患者背景に関しては、両群で差は認められなかった。グレード3-5の有害事象の発生率は、試験群で50.9%に対して対照群で66.4%であり、試験群で有意な改善が認められた(p< 0.05)。このうち血液毒性の発生率は、37.0%に対して55.1%(p<0.01)、また非血液毒性の発生率は、29.6%に対して36.4%(p=0.31)であり、特に血液毒性の発生が軽減された。 早期治療中止症例の割合は、試験群で26.9%に対して対照群で43.0%であり、試験群で有意に低かった(p< 0.05)。 6ヶ月時点の全生存率は、試験群で77.7%に対して対照群で78.7%(p=0.88)であり、その他の副次評価項目に関しても両群間で有意差は認められなかった。

結論

高齢がん患者におけるGAMとコミュニケーション支援を組み合わせたプログラムは、生存率を損なうことなく、有害事象(特に血液毒性)の発生率、および早期治療中止率を改善することが示された。同プログラムは、高齢がん患者の治療継続と安全性向上において有望であることが示唆された。 参照元: Geriatric assessment and management with a question prompt list using a web-based application to reduce treatment toxicity in older patients with cancer: A randomized controlled trial (J-SUPPORT 2101 study).(ASCO 2025)
ニュース 高齢 消化器がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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