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6年後、ベリカム社はIPOの準備ができていなかったと認めた

[公開日] 2020.11.13[最終更新日] 2020.11.13

目次

※本記事はEvaluate社の許可のもと、オンコロが翻訳したものです。内容および解釈については英語の原文を優先します。正確な内容については原文をお読みください。

 

またも別の方針転換によってベリカム社の技術に新たな疑問が投げかけられ、同社の評価額はさらなる下落が予想される。

6年前、3社のCAR-T療法関連企業が5億ドルから20億ドルの評価額でナスダックに上場し、そのうちの2社であるカイト社とジュノ社はその後、計210憶ドルで買収された。しかし、3社目のベリカム社は次々と災難に見舞われ、その価値の97%が消失した。

昨日(10月29日)、ベリカム社は79%の雇用削減、大幅な希薄的資金調達、プロジェクトの絞り込みという大鉈を振るったと発表した。しかし、驚くべきことに、ベリカム社が注力すべきプロジェクトの1つであるBPX-601の活動がまったくないことが示され、同社の技術力に重大な疑問が投げかけられている。なぜ、ここまで悪い結果になってしまったのだろうか。

今にして思えば、ベリカム社はIPOの準備ができておらず、独自性を主張していたオフスイッチ(のちにオンスイッチ)の有用性が証明されなかったことは明らかである。同社は今、通常はスタートアップ企業が上場する前に事前に行なっておくような自社テクノロジーのいじくり回しを、公的な市場の白日の下で行っていることに気づいた。

発行済み株式のほぼ2倍の株式を売却して2,500万ドルを手にしたベリカム社の最新の開発計画は、リミデュシド(rimiducid)を媒介とする活性化技術を用いたBPX-601とBPX-603に焦点を当てることだ。

しかし、ベリカム社がリストラと並行して発表したBPX-601の初期データでは、4人の膵臓がん患者は寛解に至らず、1人は重篤な有害事象としてサイトカイン放出症候群を発症しており、あまり楽観的な見方はできないだろう。サイトカイン放出は通常、有効性と相関している。

さらに悪いことに、たとえばベリカム社はリミデュシドの複数回投与がBPX-601を活性化し、サイトカインレベルが上昇した証拠を得たと主張しているが、それにもかかわらず、リミデュシドの単回投与と比較して循環するCAR-T細胞の増加は認められなかった。

このような知見は、制御可能な副作用を持つ、制御可能なCAR-T細胞の生産を目的としたベリカム社のスイッチ技術の実現可能性に対して、明らかに重大な意味を持っている。しかし、ベリカムは今、前立腺幹細胞抗原(PSCA)を標的とするBPX-601と、臨床試験を開始するためのUS IND(米国における臨床試験実施申請資料)を通過したばかりではあるが独自の問題を抱えている抗HER2抗原CAR-T療法であるBPX-603の開発を追求する運命にある。

方針転換

これはベリカム社にとって初めての方針転換ではない。当初、同社が確約していたのは、重大な毒性が発生した場合に除去できるCAR-T細胞であり、このような「安全性」のスイッチがなければ細胞療法は承認されないと考えられていた時期には、公平に見ても関心を集めていた。

しかし、ベリカム社は取引交渉において高すぎる価格を主張した可能性があり、また他の企業は独自のスイッチ技術を開発したり、同じ機序を使用していたことから、これらの関連技術には特許の適用がないことが示唆されている。もちろん最終的には、そのようなオフスイッチなしでCAR-T療法は承認された。

その後、同社は市場への迅速な提供を目的とした幹細胞移植の補助療法であるRIVO-CELに軸足を移した。しかし、標準治療が変更されたときにそのアプローチは崩壊し、主要な試験は徒労に終わり、ライバルとなるキアディス社とメルメド社のプロジェクトとともにRIVO-CELは終わりを迎えた

今となっては、ベリカム社の技術がいかに投機的ものであったか明らかだ。後知恵で考えれば、このような早い段階で株式市場の脚光を浴びるべきではなかっただろうし、ベリカム社は臨床試験で世評にかける前に、はるかに多くの検証作業を行うべきだった。

■出典 After six years Bellicum admits it’s not ready for prime time
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