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新規マルチ遺伝子検査の臨床導入に向けてサーモフィッシャーと提携:肺がん個別化治療の進展に期待 国立がん研究センター東病院
[公開日] 2025.08.04[最終更新日] 2025.07.29
国立がん研究センターは7月28日、非小細胞肺がん(NSCLC)を対象とした新規のマルチ遺伝子検査システムの臨床導入に向けて、同センター東病院がサーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループと新たな戦略的提携を締結したと発表した。
NSCLC治療においては、EGFR、ALK、ROS1、BRAF、RET、MET、HER2、KRAS、NTRK1-3の各遺伝子異常に対する標的治療が強く推奨されており、治療開始前の遺伝子検査が必須となっている。
現在は、サーモフィッシャーサイエンティフィックが開発した「オンコマイン Dx Target TestマルチCDxシステム」等の次世代シーケンサー(NGS)による遺伝子検査が国内でも承認され、広く使われているが、診断結果を得るまでに約2~3週間かかることが課題であった。
今回の提携により、サーモフィッシャーサイエンティフィックが開発した迅速なマルチ遺伝子検査システム「Oncomine Dx Express Test」の臨床性能を評価し、本マルチ遺伝子検査システムの日本における臨床導入を目指す。同検査システムは、自動化されたNGSシステムである「Ion Torrent Genexus システム」を使うことで、24時間以内に解析結果を提供することが可能になる。
国立がん研究センター東病院が主導している肺がん遺伝子スクリーニングネットワーク「LC-SCRUM-Asia」では、既にこのマルチ遺伝子検査システムの研究用プロトタイプ(Genexus/Oncomine Precision Assay [OPA]システム)を2020年9月から導入し、2025年6月までに約11,000例の肺がん臨床検体の解析を実施してきた。そして今回、LC-SCRUM-Asiaに蓄積された臨床検体と遺伝子解析データを活用して「Oncomine Dx Express Test」の臨床性能を検証する予定だ。
同検査システムの臨床応用が実現されれば、NSCLC患者さんに対して有効な治療薬をより早く、より確実に届けることが可能になり、最適な精密医療(プレシジョンメディシン)が推進されていくことが期待される。
参照元:
国立がん研究センター プレスリリース
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