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強力化学療法の適応がないIDH変異陽性の急性骨髄性白血病に対する3剤併用療法、良好な寛解率を示す Journal of Clinical Oncologyより
[公開日] 2025.06.26[最終更新日] 2025.06.18
2025年6月13日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて強力化学療法(IC)の適応がないイソクエン酸脱水素酵素(IDH)遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病(AML)に対する低メチル化剤アザシチジン+BCL-2阻害剤ベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス)+IDH1阻害剤ティブソボ(一般名:イボシデニブ)併用療法、DNAメチル化阻害剤デシタビン+ベネトクラクス+イボシデニブもしくはIDH2阻害剤エナシデニブ併用療法の3剤療法の有効性、安全性を検証した試験の結果(NCT04774393、NCT03471260)がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのCourtney D. DiNardo氏らにより公表された。
本試験は、ICの適応がないAML患者(N=60人)に対して、アザシチジン+ベネトクラクス+イボシデニブ併用療法を実施(IDH1変異患者のみ)、もしくはデシタビン+ベネトクラクス+イボシデニブ/エナシデニブ併用療法を実施(IDH1変異およびIDH2変異の患者)し、評価項目として複合完全寛解率(CRc)、奏効率(ORR)、全生存期間(OS)を検証した試験である。
本試験の結果、早期死亡率(60日以内の死亡と定義)は2%(1人)と低率であり、安全性プロファイルは2剤併用療法(低メチル化剤+ベネクレクスタ/IDH阻害剤)と同様であった。
CRcは92%(N=55/60人)、ORRは95%(N=57/60人)、中央値27.4ヶ月の追跡期間において、OSの中央値は未到達、2年全生存率は69%を示した。治療歴のある二次性AMLでは、CRcが71%(N=12/17人)、2年OSが34%で予後不良であったが、一方で二次性AMLを認めない患者の2年OSは84%であった。また、19人の患者(32%)が幹細胞移植に移行し、51%が試験継続中であった。
以上の臨床試験の結果よりCourtney D. DiNardo氏らは、「ICの適応がないIDH変異陽性AML患者に対する3剤併用療法が良好な臨床効果を示しました。この結果は、現在承認されている2剤併用療法との前向き比較試験で検証されるべきです」と結論付けた。
参照元:
Outcomes of Frontline Triplet Regimens With a Hypomethylating Agent, Venetoclax, and Isocitrate Dehydrogenase Inhibitor for Intensive Chemotherapy–Ineligible Patients With Isocitrate Dehydrogenase–Mutated AML(Journal of Clinical Oncology 2025 doi: 10.1200/JCO-25-00640)
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