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進行非小細胞肺がんに対する初回治療としてのラズクルーズ、タグリッソと同等の効果を示す Journal of Thoracic Oncologyより

[公開日] 2025.07.18[最終更新日] 2025.07.17

2025年7月3日、『Journal of Thoracic Oncology』誌にて、EGFR変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)を対象とした第3相MARIPOSA試験*の探索的解析として、ラズクルーズ(一般名:ラゼルチニブ)とタグリッソ(一般名:オシメルチニブ)を比較検討した結果が報告された。 *未治療のEGFR変異進行NSCLCを対象に、ライブリバント(一般名:アミバンタマブ)+ラズクルーズ、タグリッソ、ラズクルーズの3群を比較したランダム化二重盲検第3相試験

試験デザイン

対象

未治療のEGFR変異陽性進行NSCLC患者

治療法(レジメン)

同試験では、2:2:1の比率で以下の3群に無作為に割り付けられた。 ライブリバント+ラズクルーズ併用群(n=429) タグリッソ単独療法群(n=429) ラズクルーズ単独療法群(n=216)

評価項目

無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、全生存期間(OS)、安全性など

結果

今回は、ラズクルーズとタグリッソの比較の結果が報告された。

有効性

追跡期間中央値22.0ヶ月時点において、PFSの中央値はラズクルーズ群で18.5ヶ月に対してタグリッソ群で16.6ヶ月であり、両群間に統計学的な有意差は認められなかった(ハザード比:0.98、95%信頼区間:0.79-1.22、p=0.86)。また事前に規定されたサブグループ解析においてもPFSの結果は両群で同程度であった。 また、ORRはラズクルーズ群で83%に対してタグリッソ群で85%、DORの中央値は16.6ヶ月に対して16.8ヶ月であった。 今回の中間解析時点では、OSの中央値は両群ともに未到達であった。

安全性

両群における有害事象は、主にグレード1-2であり、多くはEGFR阻害に関連するものであった。特に、ラズクルーズ群では、タグリッソ群と比較してQT間隔延長の発生率が低かった。

結論

今回の解析は、2つの第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)を直接比較した初めての無作為化二重盲検試験であり、ラズクルーズがタグリッソと同等の有効性と安全性を有することが示された。 参照元: Lazertinib Versus Osimertinib in Previously Untreated EGFR-mutant Advanced NSCLC: A Randomized, Double-blind, Exploratory Analysis From MARIPOSA(J Thorac Oncol. 2025 DOI: 10.1016/j.jtho.2025.06.030.)
ニュース 肺がん オシメルチニブタグリッソラズクルーズラゼルチニブ非小細胞肺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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