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早期ホルモン受容体陽性乳がん患者を対象とした母乳による育児の可能性 Journal of Clinical Oncologyより

[公開日] 2025.07.25[最終更新日] 2025.07.23

2025年7月9日、『Journal of Clinical Oncology』誌にて、早期ホルモン受容体(HR)陽性乳がん患者を対象に、妊娠を試みる目的で内分泌療法(ET)を中断することによる転帰と安全性を検討した前向き研究(POSITIVE試験)の結果が報告された。

試験デザイン

対象

少なくとも1回の出生経験のある早期HR陽性乳がん患者(313例)

介入

評価項目

授乳パターン別の乳がんの累積発生率など

結果

内分泌療法の中断により乳がんの短期リスクの上昇は認められなかったことが既に示されており、今回は授乳パターンと乳がんリスクとの関連が報告された。 中央値41ヶ月の追跡期間において、解析対象313名中196名(62.6%)が授乳を行った。 乳房温存手術を受けた167名においては、130名(77.8%)が授乳をし、そのうち90名(69.2%)は非罹患乳房側のみで授乳を行った。また片側乳房切除術を受けた146名においては、66名(45.2%)が授乳した。授乳頻度は、35歳以上の女性(67.6% vs 55.7%)および以前の出産歴がない女性(66.4% vs 48.5%)で高い傾向が認められた。 授乳した女性の半数以上(52.6%)が、最初の出産後から4ヶ月以上授乳を継続していた(中央値4.4ヶ月、95%信頼区間:4.0-5.3)。 また出産後24ヶ月時点での乳がんの累積発生率は、授乳群で3.6%、非授乳群で3.1%であり、両群間に差は認められなかった。

結論

POSITIVE試験のデータでは、乳がん診断後に出産した女性の約3分の2が授乳しており、その大半は4ヶ月以上継続していた。早期追跡期間において、授乳した女性と授乳しなかった女性の間で、乳がん関連イベントの発生率に差は観察されなかった。これらの結果は、乳がん診断後に妊娠・授乳を希望する女性にとって重要な情報である。 参照元: Breastfeeding After Hormone Receptor-Positive Breast Cancer: Results From the POSITIVE Trial(J Clin Oncol. 2025 DOI: 10.1200/JCO-24-02697)
ニュース 乳がん ホルモン受容体

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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