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進行乳がんに対する原発巣切除術と全身療法の併用、生存率の統計的に有意な改善にはつながらず British Journal of Cancerより

[公開日] 2025.07.14[最終更新日] 2025.07.14

2025年7月4日、医学誌『British Journal of Cancer』にて、de novoのIV期乳がんに対する初回治療としての原発巣切除術(PTR)併用全身療法が、全身療法単独と比較して生存率を改善するかを評価した第3相無作為化臨床試験(JCOG1017:PRIM-BC試験)の結果が日本から報告された。

試験デザイン

対象

3ヶ月間の初回全身療法後に病勢進行を認めないIV期乳がん

介入

A群:全身療法のみを継続(N=205) B群:原発巣切除術(PTR)と全身療法の併用(N=202)

評価項目

主要評価項目:全生存期間(OS) 副次評価項目:局所無再発生存期間(LRFS)

結果

有効性

追跡期間中央値60ヶ月時点におけるOSの中央値は、A群で69ヶ月に対してB群で75ヶ月であり、統計的に有意な差は認められなかった(ハザード比:0.86、90%信頼区間:0.69-1.07、片側p値:0.13)。サブグループ解析では、閉経前の症例または単一臓器転移を有する症例において、PTRはOSの改善と関連する傾向が認められた。 また、LRFSの中央値は、A群で20ヶ月に対してB群で63ヶ月であり、B群のLRFSはA群と比較して有意に長かった(ハザード比:0.42、95%信頼区間:0.33-0.53、p < 0.0001)。

安全性

全身療法に関連する有害事象については、両群間で有意差は認められなかった。 またB群では、術中合併症の報告はなく、術後早期合併症の発生率はグレード2以上で6.4%(173名中11名)、グレード3以上で1.2%(173名中2名)であった。 グレード4の有害事象および治療関連死亡は、どちらの群でも認められなかった。

結論

全身療法とPTRの併用によるOSの統計的な改善は認められなかった。しかしながら、閉経前患者や単一臓器転移患者など、一部の患者には有益となる可能性があり、また局所制御を改善することが示された。 参照元: Primary tumour resection plus systemic therapy versus systemic therapy alone in metastatic breast cancer (JCOG1017, PRIM-BC): a randomised clinical trial(Br J Cancer. 2025 DOI: 10.1038/s41416-025-03097-z)
ニュース 乳がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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