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既治療の再発難治性多発性骨髄腫に対する三重特異性抗体ISB 2001療法、高い安全性と奏効率を示す

[公開日] 2025.01.20[最終更新日] 2025.01.16

この記事の3つのポイント ・複数治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫を対象とした第1相試験 ・BCMA/CD3/CD38を標的とした三重特異性抗体ISB 2001の有効性・安全性を検討 ・全目標用量において高い安全性と奏効率を示す
2024年12月7日-10日に米国・サンディエゴ州で開催された米国血液学会(ASH 2024)にて、複数治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対するBCMA/CD3/CD38を標的とした三重特異性抗体ISB 2001の有効性、安全性を比較検証した第1相試験の結果がUniversity of IowaのMichael H. Tomasson氏らにより公表された。 本試験は、複数治療歴のあるRRMM患者に対して、28日を1サイクルとしてISB 2001療法を投与し(1サイクル目は1、4日目の2回の段階的投与後8日目に全目標量を投与)、主要評価項目として治療開始28日以内(初回サイクル時点)の用量制限毒性(DLT)の発現を検証した試験である。なお同試験は、パート1(用量漸増)完了後、安全性を確認し、第2相試験推奨用量を選択するために、パート2(用量拡大)に続く予定だ。 本試験に登録された14人の患者背景は、年齢中央値が66歳、性別は男性が57.1%、人種は白人が92.9%、前治療歴中央値が4レジメン(2-10レジメン)であった。ISB 2001療法の目標用量は5μg/kg(N=1人)、15μg/kg(N=1人)、50μg/kg(N=1人)、150μg/kg(N=4人)、300μg/kg(N=3人)、600μg/kg(N=4)であり、少なくとも1サイクルの投与を受けた。ISB 2001は、28日サイクルで毎週投与され、サイクル1の1日目と4日目の2回の段階的投与の後、8日目に全目標用量を投与した。 本試験のフォローアップ期間中央値2.2ヶ月時点における結果、主要評価項目であるDLTは1人の患者でも確認されなかった。インフュージョンリアクションはグレード1が1人、下気道/上気道感染症はグレード1、グレード2がそれぞれ1人、尿路感染症はグレード3が1人であった。 また免疫細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は一人も報告されなかった。サイトカイン放出症候群(CRS)は71.4%(N=10/14人)の患者で確認されたが、全てグレード1であった。CRSは1サイクル1日目の投与で最も多く発現し(64.3%)1サイクル4日目投与で14.3%、1サイクル8日目投与で7.1%の発現が確認された。3例でトシリズマブが使用されたが、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止、死亡症例の報告はなかった。 一方の有効性は、客観的奏効率(ORR)は75%(N=9/12人)を示し、厳格な完全奏効率(sCR)/微小残存病変(MRD)陰性率は8.3%、最良部分奏効率(VGPR)16.7%、部分奏効率(PR)50.0%を示した。奏効までの期間中央値は36日(29-57日)、奏効が確認された9人全員の患者がデータ取得時点で依然として奏効を継続していた。 以上の結果よりMichael H. Tomasson氏らは、「新規の三重特異性抗体ISB 2001は、600μg/kgまで低グレードのCRSと管理可能な安全性プロファイルを示し、高い奏効率が得られました」と結論付けた。 参照元: First Results of a Phase 1, First-in-Human, Dose Escalation Study of ISB 2001, a BCMAxCD38xCD3 Targeting Trispecific Antibody in Patients with Relapsed/Refractory Multiple Myeloma (RRMM)(ASH 2024)
ニュース 多発性骨髄腫 BCMACD3CD38ISB 2001三重特異性抗体

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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