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HER2陽性胃/胃食道接合部腺がんに対するエンハーツ、全生存期間を有意に改善 第一三共
[公開日] 2025.06.18[最終更新日] 2025.06.17
第一三共株式会社は6月2日、HER2陽性(IHC 3+またはIHC 2+/ISH+)の胃がんまたは胃食道接合部腺がんへの二次治療を対象とした、抗HER2抗体薬物複合体(ADC)エンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン;T-DXd)のグローバル第3相DESTINY-Gastric04試験の最新データについて、米国臨床腫瘍学会(ASCO 2025)で発表したことを報告した。
HER2陽性の切除不能な進行・再発胃がんまたは胃食道接合部腺がん患者(494名)において、主要評価項目である全生存期間(OS)の中央値は、T-DXd投与群で14.7ヶ月に対して、現在の標準療法であるサイラムザ(一般名:ラムシルマブ)+パクリタキセル投与群で11.4ヶ月を示し、統計学的に有意な改善を示した。
副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は、T-DXd投与群で6.7ヶ月に対して、サイラムザ+パクリタキセル投与群で5.6ヶ月であり、病勢進行または死亡リスクを26%低下させた。客観的奏効率(ORR)は、T-DXd投与群で44.3%(完全奏効7名、部分奏効97名)に対して、サイラムザ+パクリタキセル投与群は29.1%(完全奏効3名、部分奏効66名)、また病勢コントロール率は、91.9%に対して75.9%であった。奏効期間の中央値は、T-DXd投与群で7.4ヶ月に対して、サイラムザ+パクリタキセル投与群で5.3ヶ月であった。
安全性については、新たな懸念は認められず、T-DXdのこれまでの胃がんの試験と同様の傾向を示した。T-DXd投与群におけるグレード3以上の薬剤関連有害事象は、好中球減少症(28.7%)、貧血(13.9%)、血小板減少症(8.6%)等が認められた。また、薬剤に関連した間質性肺疾患(ILD)は、T-DXd投与群で13.9%に発症し、そのうちグレード1が7名(2.9%)、グレード2が26名(10.7%)、グレード3が1名(0.4%)であった。一方のサイラムザ+パクリタキセル投与群では、薬剤関連ILDは1.3%で認められ、そのうちグレード3が2名(0.9%)、グレード5(死亡)が1名(0.4%)であった。
なお、HER2陽性胃がんの一次治療を対象としたDESTINY-Gastric05試験も現在進行中であり、第一三共は「HER2陽性胃がん患者さんに本剤を早期治療ラインの選択肢としてお届けできるよう、本剤の開発を加速させてまいります」としている。
参照元:
第一三共株式会社 プレスリリース
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