この記事の3つのポイント
・移植非適応の新規多発性骨髄腫を対象とした第3相ALCYONE試験の最終解析
・ボルテゾミブ+メルファラン+プレドニゾロン併用療法へのダラザレックス追加の有効性・安全性を検討
・ダラザレックス追加による継続的な効果と安全性を示す
2025年4月11日、医学誌『The Lancet Oncology』にて、移植非適応の新規多発性骨髄腫におけるボルテゾミブ+メルファラン+プレドニゾロン併用(VMP)療法に対するダラザレックス(一般名:ダラツムマブ)追加(D-VMP療法)の有効性、安全性を比較検証した第3相ALCYONE試験(NCT02195479)の最終解析の結果がUniversity Hospital of Salamanca/IBSAL/Cancer Research Center–IBMCCのMaria-Victoria Mateos氏らにより公表された。
ALCYONE試験は、移植非適応の新規多発性骨髄腫患者(N=706人)に対して、D-VMP療法を投与する群(N=350人)、またはVMP療法を投与する群(N=356人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、微小残存病変(MRD)陰性化率、安全性などを比較検証した国際多施設共同オープンラベルの試験である。
今回は最終解析の結果が報告された。
追跡期間中央値86.7カ月時点におけるOSの中央値はD-VMP群の83.0カ月(95%信頼区間:72.5カ月–未到達)に対してVMP群で53.6カ月(95%信頼区間:46.3カ月–60.9カ月)と、OSの統計学的有意な改善が認められた。(ハザード比:0.65,95%信頼区間:0.53–0.80,p<0.0001)。
一方の安全性として、多くの患者で確認されたグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)は、好中球減少症がD-VMP群の40%に対してVMP群で39%、血小板減少症がD-VMP群の35%に対してVMP群で38%、貧血がD-VMP群の18%に対してVMP群で20%を示した。重篤な治療関連有害事象(TRAE)はD-VMP群の21%に対してVMP群で16%の患者で確認された。治療関連有害事象(TRAE)に関連した死亡率はD-VMP群の5人(1%)に対してVMP群で3人(1%)で確認された。
以上のALCYONE試験の最終解析の結果よりMaria-Victoria Mateos氏らは「7年を超える追跡の結果、移植不適格の多発性骨髄腫に対するD-VMP療法は、有効性を継続的に発揮し、ダラザレックス追加治療の有効性と安全性を裏付けました」と結論付けた。
参照元:
Bortezomib, melphalan, and prednisone with or without daratumumab in transplant-ineligible patients with newly diagnosed multiple myeloma (ALCYONE): final analysis of an open-label, randomised, multicentre, phase 3 trial(The Lancet Oncology 2025 DOI: 10.1016/S1470-2045(25)00018-X)あなたは医師ですか。