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腎摘除術後の再発リスクの高い限局性腎細胞がんに対する術後療法としてのオプジーボ、無病生存期間を改善せず

[公開日] 2024.10.18[最終更新日] 2024.10.18

この記事の3つのポイント ・腎摘除術後の再発リスクの高い限局性腎細胞がんを対象としたCheckMate 914試験 ・術後療法としてのオプジーボ+ヤーボイまたはオプジーボ単剤の有効性・安全性を検討 ・オプジーボ単剤パートにおいて、無増悪生存期間の改善は認められず
2024年9月20日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、腎摘除術後の再発リスクの高い限局性腎細胞がんに対する術後療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボ(一般名:ニボルマブ)+ヤーボイ(一般名:イピリムマブ)またはオプジーボ単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCheckMate 914試験(NCT03138512)におけるオプジーボ単剤パートの結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのRobert J. Motzer氏らにより公表された。 CheckMate 914試験は、根治的腎摘除術または腎部分切除術を受けた再発リスクの高い限局性腎細胞がん患者(N=825人)に対する術後療法として、2週を1サイクルとしてオプジーボ240mg単剤を最大12サイクル投与する群(N=411人)、2週を1サイクルとしてプラセボ単剤を投与する群(N=208人)、もしくは2週を1サイクルとしてオプジーボ240mgを最大12サイクル+6週を1サイクルとしてヤーボイ1mg/kgを最大4サイクル投与する群(N=206人)に2対1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無病生存期間(DFS)を比較検証した試験である。 本試験の追跡期間中央値27.0ヶ月時点における結果、主要評価項目であるDFSは、オプジーボ単剤群、プラセボ単剤群とも未到達であり、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった(HR:0.87,95%信頼区間:0.62-1.21,P=0.40)。18ヶ月無病生存率は、オプジーボ単剤群で78.4%に対してプラセボ単剤群で75.4%を示した。 なお、以前の報告において、オプジーボ+ヤーボイ併用療法でもDFSの改善メリットは見られなかったことが報告されている。 一方の安全性として、グレード3-4の有害事象(AE)発症率は、オプジーボ単剤群で17.2%、プラセボ単剤群で15.0%、オプジーボ+ヤーボイ併用群で28.9%をそれぞれ示した。治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率は、オプジーボ単剤群で9.6%、プラセボ単剤群で1.0%、オプジーボ+ヤーボイ併用群で28.4%をそれぞれ示した。 以上のCheckMate 914試験におけるオプジーボ単剤パートの結果よりRobert J. Motzer氏らは「腎摘除術後の再発リスクの高い限局性腎細胞がんに対する術後オプジーボ単剤療法は、DFSの改善という主要評価項目を達成しませんでした」と結論付けた。 参照元: Adjuvant Nivolumab for Localized Renal Cell Carcinoma at High Risk of Recurrence After Nephrectomy: Part B of the Randomized, Placebo-Controlled, Phase III CheckMate 914 Trial(Journal of Clinical Oncology 2024 Doi:10.1200/JCO.24.00773)
ニュース 腎臓がん オプジーボニボルマブ腎細胞がん術後補助療法

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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