進行/再発子宮体がんに対する初回治療としてのテセントリク+化学療法、無増悪生存期間を有意に改善The Lancet Oncologyより


  • [公開日]2024.08.19
  • [最終更新日]2024.08.08
この記事の3つのポイント
・進行/再発子宮体がんを対象とした第3相のAtTEnd試験
・初回治療としてのテセントリク化学療法併用の有効性安全性を検討
併用療法により、化学療法と比較して無増悪生存期間を有意に改善

2024年8月2日、医学誌『The Lancet Oncology』にて、進行/再発子宮体がんに対する初回治療としての抗PD-L1抗体薬テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)+化学療法の効果を検証した第3相のAtTEnd試験(NCT03603184)の結果がUniversity of Milan-BicoccaのNicoletta Colombo氏らにより公表された。

AtTEnd試験は、未治療の進行/再発子宮体がん患者(N=551人)に対する初回治療として、21日を1サイクルとして1日目にカルボプラチン5/6AUC+パクリタキセル175mg/m2+テセントリク1200mg併用療法を実施する群(N=362人)、もしくはカルボプラチン5/6AUC+パクリタキセル175mg/m2+プラセボ併用療法を実施する群(N=189人)に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目としてミスマッチ修復欠損(dMMR)および全体集団(ITT)における無増悪生存期間(PFS)と全生存期間OS)を比較検証した多施設共同二重盲検ランダム化試験である。

本試験の結果、主要評価項目であるdMMR集団におけるPFSは、テセントリク併用群の未到達(95%信頼区間:12.5ヶ月-未到達)に対して化学療法群で6.9ヶ月(95%信頼区間:6.3-10.1ヶ月)、テセントリクを併用することで病勢進行または死亡のリスクを64%減少(HR:0.36,95%信頼区間:0.23-0.57,P=0.0005)した。

ITT集団におけるPFSは、テセントリク併用群の10.1ヶ月(95%信頼区間:9.5ヶ月-12.3ヶ月)に対して化学療法群で8.9ヶ月(95%信頼区間:8.1-9.6ヶ月)、テセントリクを併用することで病勢進行または死亡のリスクを26%減少(HR:0.74,95%信頼区間:0.61-0.91,P=0.022)した。

もう1つの主要評価項目であるITT集団におけるOSは、テセントリク併用群の38.7ヶ月(95%信頼区間:30.6ヶ月-未到達)に対して化学療法群で30.2ヶ月(95%信頼区間:25.0ヶ月-37.2ヶ月)、テセントリクを併用することで死亡のリスクを18%減少(HR:0.82,95%信頼区間:0.63-1.07,P=0.048)した。

一方の安全性として、グレード3もしくは4の有害事象(AE)は、好中球減少症がテセントリク併用群で27%(N=97/356人)に対して化学療法群で28%(N=51/185人)、貧血がテセントリク併用群で14%(N=49/356人)に対して化学療法群で13%(N=24/185人)、重篤な治療関連有害事象(TRAE)発症率はテセントリク併用群で13%に対して化学療法群で3%を示した。

以上のAtTEnd試験の結果よりNicoletta Colombo氏らは「進行/再発子宮体がん患者に対する初回治療としてのパクリタキセル+カルボプラチン併用療法へのテセントリク上乗せは、PFSを改善し、特にdMMR集団に対する効果は良好でした」と結論付けた。

参照元:
Atezolizumab and chemotherapy for advanced or recurrent endometrial cancer (AtTEnd): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial(The Lancet Oncology 2024 DOI:10.1016/S1470-2045(24)00334-6)

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