2024年8月2日、医学誌『Annals of Oncology』にて、進行腎細胞がんにおける初回治療としてのオプジーボ(一般名:ニボルマブ)+ヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の有効性・安全性を検証した第3相CheckMate 214試験(NCT02231749)の8年間の長期追跡結果が発表された。
試験デザイン
対象
未治療の進行性または転移性腎細胞がん
レジメン
試験群:オプジーボ3mg/kg+ヤーボイ1mg/kgを週3回×4回投与後にオプジーボ3mg/kgまたは240mgを2週間毎あるいは480mgを4週間毎に投与
対照群:スーテント(一般名:スニチニブ)50mgを1日1回4週間投与後に2週間休薬
評価項目
主要評価項目:IMDC分類における中/高リスク集団における客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)
副次評価項目:全体集団におけるORR、PFS、OS
探索的評価項目:低リスク集団におけるORR、PFS、OS
結果
今回は長期追跡後のアップデートデータが報告された。
有効性
追跡中央値約8年(99.1か月)におけるオプジーボ+ヤーボイ併用群とスーテント群のOSのハザード比(HR)は、中高リスク集団で0.69(95%信頼区間:0.59-0.81)、全体集団で0.72(95%信頼区間:0.62-0.83)、低リスク集団で0.82(95%信頼区間:0.60-1.13)。
90か月時点でのオプジーボ+ヤーボイ併用群とスーテント群の無増悪生存割合は、中/高リスク集団で25.4% vs 8.5%、全体集団で22.8% vs 10.8%、低リスク集団で12.7% vs 17.0%。
オプジーボ+ヤーボイ併用群とスーテント群のORRは、中/高リスク集団で42.4% vs 27.5%、全体集団で39.5% vs 33.0%、低リスク集団で29.6% vs 51.6%(そのうち完全奏効率はそれぞれ11.8% vs 2.6%、12.0% vs 3.5%、12.8% vs 6.5%)。
安全性
治療関連の有害事象の発生率は、これまでの報告と一致していた。
オプジーボ+ヤーボイ併用群のほうがスーテント群と比較してグレード3‐4の治療関連有害事象の発生が少なかった(48.4% vs 64.1%)。
結論
進行腎細胞がんに対するオプジーボ+ヤーボイ併用療法は、スーテント単剤と比較して高く持続的な効果および安全性を8年間維持した。これは進行腎細胞がんに対する初回治療の免疫療法における第3相試験の中で最長の追跡データである。
リサーチのお願い
この記事に利益相反はありません。