この記事の3つのポイント
・既治療の再発難治性多発性骨髄腫を対象とした第2相のMagnetisMM-3試験の生存期間の詳細報告
・B細胞成熟抗原とCD3に対する二重特異性抗体エルレフィオの有効性・安全性を比較検討
・全生存期間の中央値が2年以上の良好な結果を示す
米ファイザー社は2024年06月14日、複数治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対するB細胞成熟抗原(BCMA)とCD3を標的とした二重特異性抗体エルレフィオ(一般名:エルラナタマブ)の有効性、安全性を検証した第2相のMagnetisMM-3試験(NCT04649359)に関するプレスリリースを発表した。
今回報告されたのは、全生存期間(OS)の詳細であり、主要コホートAにおけるエルレフィオを投与された患者(n=123)でのOSの中央値が24.6ヶ月(95%信頼区間:13.4-NE)であることが示された。
また2年以上の追跡調査の結果、全奏効率(ORR)は61.0%で、時間の経過とともに奏効が深まり、奏効持続期間(DOR)の中央値は未到達であった。奏効が見られた症例の2年時点での奏効持続率は66.9%(95%信頼区間:54.4-76.7)であり、完全奏効以上の効果が得られた集団では87.9%(95%信頼区間:73.1-94.8)であった。
無増悪生存期間(PFS)の中央値は17.2ヶ月(95%信頼区間:9.8ヶ月-未到達)、また完全奏効以上の効果が得られた集団では未到達、2年無増悪生存率は90.6%(95%信頼区間:76.9%-96.4%)を示した。
一方の安全性に関しては、既存の臨床試験で確認されているエルレフィオの安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。二次性腫瘍(SPMs)の発症率は4.1%(N=5人)の患者で確認された。
以上のMagnetisMM-3試験の結果より、Pfizer社のRoger Dansey氏らは「今回の全生存期間のデータは、既に実証されているエルレフィオの臨床的有用性を裏付けるものであり、RRMM患者に対する画期的な治療選択肢になり得ることが示唆されました」とコメントしている。
参照元:・B細胞成熟抗原とCD3に対する二重特異性抗体エルレフィオの有効性・安全性を比較検討
・全生存期間の中央値が2年以上の良好な結果を示す
米ファイザー社 プレスリリース