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治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫に対するベランタマブ マホドチン+ボルテゾミブ+デキサメタゾン、無増悪生存期間を有意に改善

[公開日] 2024.06.12[最終更新日] 2024.06.12

この記事の3つのポイント ・治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫を対象とした第3相のDREAMM-7試験
・抗BCMA抗体薬物複合体ベランタマブ マホドチン+ボルテゾミブ+デキサメタゾンの有効性・安全性を検討
・無増悪生存期間を有意に改善
2024年06月01日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて、治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対する抗BCMA抗体薬物複合体であるベランタマブ マホドチン+ボルテゾミブ+デキサメタゾン併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のDREAMM-7試験(NCT04246047)の結果がVania Hungria氏らにより公表された。 DREAMM-7試験は、最低1レジメン以上の治療歴のあるRRMM患者に対して、ベランタマブ マホドチン+ボルテゾミブ+デキサメタゾン併用療法を実施する群、もしくはダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン併用療法を実施する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、奏効持続期間(DOR)、微小残存病変(MRD)陰性率を比較検証したランダム化オープンラベルの試験である。 本試験のフォローアップ期間中央値28.2ヶ月時点において、主要評価項目であるPFSの中央値は、ベランタマブ マホドチン併用群の36.6ヶ月(95%信頼区間:28.4ヶ月-未到達)に対してダラツムマブ併用群で13.4ヶ月(95%信頼区間:11.1-17.5ヶ月)と、ダベランタマブ マホドチン併用群で病勢進行または死亡のリスクを59%統計学的有意に改善した(HR:0.41,95%信頼区間:0.31-0.53,P=0.001)。 副次評価項目である18ヶ月OSは、ベランタマブ マホドチン併用群の84%に対してダラツムマブ併用群で73%を示した。完全奏効率もしくはMRD陰性率は、ベランタマブ マホドチン併用群の25%に対してダラツムマブ併用群で10%を示した。 安全性に関しては、グレード3以上の有害事象発症率はベランタマブ マホドチン併用群の95%に対してダラツムマブ併用群で78%を示した。特に眼に関する症状はベランタマブ マホドチン併用群で多かった(79%対29%)が、用量の変更で対処され、視力悪化のほとんどは解消された。 以上のDREAMM-7試験の結果よりVania Hungria氏らは、「治療歴のあるRRMM患者に対する抗BCMA抗体薬物複合体ベランタマブ マホドチン+ボルテゾミブ+デキサメタゾン併用療法は、ダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン併用療法に比べてPFSを統計学的有意に改善しました」と結論付けた。 参照元:
Belantamab Mafodotin, Bortezomib, and Dexamethasone for Multiple Myeloma(The New England Journal of Medicine 2024. doi:10.1056/NEJMoa2405090)
ニュース 多発性骨髄腫 再発難治性多発性骨髄腫

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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