慢性骨髄性白血病に対するアシミニブ単剤療法、良好な抗腫瘍効果を示すThe New England Journal of Medicineより


  • [公開日]2024.06.07
  • [最終更新日]2024.06.05
この記事の3つのポイント
慢性骨髄性白血病を対象とした第3相試験
・BCR-ABL特異的アロステリック阻害薬であるアシミニブ単剤療法有効性安全性を比較検討
・従来のチロシンキナーゼ阻害剤よりも優れた有効性・安全性を示す

2024年05月31日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて慢性骨髄性白血病(CML)に対するBCR-ABL特異的アロステリック阻害薬であるアシミニブ単剤療法の有効性、安全性を検証した第3相試験(NCT04395677>NCT04971226)の結果がAndreas Hochhaus氏らにより公表された。

本試験は、CML患者に対して1日1回アシミニブ80mg単剤を投与する群(N=201人)、もしくは主治医選択のチロシンキナーゼ阻害薬(イマチニブおよび第2世代のチロシンキナーゼ阻害剤を含む)を投与する群(N=204人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として48週時点の分子遺伝学的完全奏効率(Major molecular response, MMR)を検証した第3相試験である。

本試験の結果、48週時点のMMRは、アシミニブ単剤群の67.7%に対して主治医選択薬群で49.0%と、両群間の差は18.9%(95%信頼区間:9.6%-28.2%,P<0.001)を示した。

一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)発症率はアシミニブ単剤群で38.0%、イマチニブ単剤群で44.4%、その他の第2世代チロシンキナーゼ阻害薬単剤群で54.9%をそれぞれ示した。治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率はアシミニブ単剤群で4.5%、イマチニブ単剤群で11.1%、その他の第2世代チロシンキナーゼ阻害薬単剤群で9.8%をそれぞれ示した。

以上の結果よりAndreas Hochhaus氏らは、「CML患者に対するアロステリック阻害薬アシミニブ単剤療法は、既存のチロシンキナーゼ阻害剤と比較して良好な抗腫瘍効果を示し、良好な安全性プロファイルを示しました」と結論付けた。

参照元:
Asciminib in Newly Diagnosed Chronic Myeloid Leukemia(NEJM 2024. doi:10.1056/NEJMoa2400858)

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