進行副腎皮質がんに対するカボメティクス単剤療法、臨床的意義のある抗腫瘍効果示すThe Lancet Oncologyより


  • [公開日]2024.04.30
  • [最終更新日]2024.04.23
この記事の3つのポイント
・進行副腎皮質がんを対象とした第2相試験
・マルチキナーゼ阻害薬であるカボメティクス単剤療法の有効性安全性を検証
・臨床的意義のある抗腫瘍効果を示す

2024年04月09日、医学誌『The Lancet Oncology』にて進行副腎皮質がんに対するマルチキナーゼ阻害薬カボメティクス(一般名:カボザンチニブ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03370718)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのMatthew T Campbell氏らにより公表された。

本試験は、進行副腎皮質がん患者に対して1日1回カボメティクス60mg単剤療法を投与し、主要評価項目として4カ月無増悪生存率PFS)を検証した単群の試験である。

本試験には18人(男性10人、女性8人)の患者が登録された。全例が1レジメン以上の前治療歴を持ち、ECOGパフォーマンスステータスはスコア0が44%(N=8人)、スコア1が50%(N=9人)、スコア2が6%(N=1人)であった

追跡期間中央値36.8ヵ月時点における結果は、主要評価項目である4カ月PFSが72·2%(N=13/18人,95%信頼区間:46.5%-90.3%)、PFSの中央値は6ヵ月(95%信頼区間:4.3ヵ月-未到達)を示した。

一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は61%(N=11/18人)に認められ、主なものとしては、リパーゼ上昇が17%(N=3人)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ濃度上昇が11%(N=2人)、アラニンアミノトランスフェラーゼ濃度上昇が11%(N=2人)、低リン血症が11%(N=2人)、高血圧が11%(N=2人)であった。

以上の第2相試験の結果よりMatthew T Campbell氏らは「進行副腎皮質がん患者に対するマルチキナーゼ阻害薬カボメティクス単剤療法は、臨床的意義のある抗腫瘍効果を示し、忍容性も良好でした」と結論を述べた。

参照元:
Cabozantinib monotherapy for advanced adrenocortical carcinoma: a single-arm, phase 2 trial(The Lancet Oncology 2024. doi:10.1016/S1470-2045(24)00095-0)

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