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CDK4/6阻害薬及びアロマターゼ阻害薬後に病勢進行したホルモン受容体陽性HER2陰性転移性乳がんにおけるフェソロデックスに対するイブランス±バベンチオ併用、主要評価項目を達成せず

[公開日] 2024.04.02[最終更新日] 2024.04.02

この記事の3つのポイント ・CDK4/6阻害薬及びアロマターゼ阻害薬後に病勢進行したホルモン受容体陽性HER2陰性転移性乳がんを対象とした第2相のPACE試験
・フェソロデックスに対するイブランス±バベンチオ追加の有効性・安全性を検証
・主要評価項目を達成せずさらなる検討が必要
2024年03月21日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬及びアロマターゼ阻害薬後に病勢進行したホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性転移性乳がんに対して、フェソロデックス(一般名:フルベストラント)にCDK4/6阻害薬であるイブランス(一般名:パルボシクリブ)、抗PD-L1抗体薬であるバベンチオ(一般名:アベルマブ)を追加することによる有効性、安全性を検証した第2相のPACE試験の結果がDana-Farber Cancer InstituteのErica L. Mayer氏らにより公表された。 PACE試験は、CDK4/6阻害薬及びアロマターゼ阻害薬後に病勢進行したHR陽性HER2陰性転移性乳がん患者に対して、フェソロデックス単剤を投与する群、フェソロデックス+イブランス併用療法を実施する群、フェソロデックス+イブランス+バベンチオ併用療法を実施する群に1対2対1の割合で振り分け、主要評価項目としてフェソロデックス単剤療法とフェソロデックス+イブランス併用療法での無増悪生存期間(PFS)を比較検証したランダム化多施設共同の第2相試験である。 本試験に登録された220人の患者背景は、年齢中央値が57歳(25-83歳)、閉経後の患者割合が80.9%、CDK4/6阻害薬の前治療歴はイブランスが90.9%であった。 主要評価項目であるPFSの中央値は、フェソロデックス単剤群の4.8ヵ月に対してフェソロデックス+イブランス併用群で4.6ヵ月(HR:1.11,90%信頼区間:0.79-1.55,P=0.62)を示した。なお、フェソロデックス+イブランス+バベンチオ併用群では8.1ヵ月(HR:0.75,90%信頼区間:0.50-1.12,P=0.23)を示した。PFSの差は、ベースラインにおけるESR1およびPIK3CA遺伝子変化のある患者でより大きい傾向が見られた。 以上のPACE試験の結果よりErica L. Mayer氏らは、「CDK4/6阻害薬及びアロマターゼ阻害薬後に病勢進行したホルモン受容体陽性HER2陰性転移性乳がんに対するフェソロデックス+イブランス併用療法は、フェソロデックス単剤療法に比べて生存期間を有意に改善しませんでした。バベンチオの追加投与は、有効性が見られる集団において今後更に調査する必要があります」と述べている。 参照元:
PACE: A Randomized Phase II Study of Fulvestrant, Palbociclib, and Avelumab After Progression on Cyclin-Dependent Kinase 4/6 Inhibitor and Aromatase Inhibitor for Hormone Receptor–Positive/Human Epidermal Growth Factor Receptor–Negative Metastatic Breast Cancer(Journal of Clinical Oncology 2024. doi:10.1200/JCO.23.01940)
ニュース 乳がん ホルモン受容体

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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