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切除可能早期非小細胞肺がんに対する周術期療法としてのチスレリズマブ+化学療法、EFSを有意に改善

[公開日] 2024.03.01[最終更新日] 2024.10.10

この記事の3つのポイント ・切除可能早期非小細胞肺がんが対象の第3相RATIONALE-315試験
・周術期療法としての抗PD-1抗体チスレリズマブ+プラチナ系抗がん剤併用療法の有効性・安全性を検討
・プラセボ群と比較してチスレリズマブ群でEFS、生存率を有意に改善
2024年02月15日~16日、ESMO Virtual Plenaryにて、切除可能早期非小細胞肺がん(NSCLC)に対する周術期療法としての抗PD-1抗体チスレリズマブ+プラチナ系抗がん剤併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相RATIONALE-315試験(NCT04379635)の結果が公表された。 RATIONALE-315試験は、切除可能早期NSCLC患者(N=453人)に対し、術前療法としてチスレリズマブ+プラチナ系抗がん剤併用療法を実施し、術後療法としてチスレリズマブ単剤を投与する群、もしくは術前療法としてプラチナ系抗がん剤を投与し、術後療法としてプラセボを投与する群に分けて、主要評価項目として盲検独立中央判定(BICR)による無再発生存期間(EFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、Major pathological response(MPR)等を比較検証した第3相試験である。 本試験の結果、主要評価項目であるEFSはプラセボ群に比べてチスレリズマブ群で統計学的有意に改善し、再発、死亡のリスクを44%減少した(HR:0.56,95%信頼区間:0.40-0.79,P=0.0003)。またOSに関しても、チスレリズマブ群で有意に改善傾向が確認された(HR:0.62,95%信頼区間:0.39-0.98,P=0.0193)。 副次評価項目であるMPRは、プラセボ群に比べてチスレリズマブ群で統計学的有意に高率であり、その差は41.1%(95%信頼区間:33.2%-49.1%,P<0.0001)を示した。病理学的寛解率(pCR)はチスレリズマブ群の40.7%に対してプラセボ群5.7%と、その差は35.0%(95%信頼区間:27.9%-42.1%,P<0.0001)を示した。 以上のRATIONALE-315試験の結果より、Hospital Universitario 12 de OctubreのLuis Paz-Ares氏は「切除可能NSCLCに対する周術期療法としての抗PD-1抗体薬チスレリズマブの有用性が本試験により確認されました」とコメントした。 参照元:
Perioperative tislelizumab improves survival in resectable NSCLC – a new standard of care?
ニュース 肺がん チスレリズマブ非小細胞肺がん

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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