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BRCA1/2遺伝子変異陽性およびBRCAnessの再発卵巣がんに対するヨンデリス、化学療法に比べて全生存期間を改善せず

[公開日] 2024.02.20[最終更新日] 2024.02.20

この記事の3つのポイント ・BRCA1/2遺伝子変異陽性およびBRCAnessの再発卵巣がんが対象の第3相MITO-23試験 ・ヨンデリス単剤療法の有効性・安全性を検証 ・主治医選択の化学療法と比較して全生存期間を改善せず
2024年02月05日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、BRCA1/2遺伝子変異陽性およびBRCAnessの再発卵巣がんに対するヨンデリス(一般名:トラベクテジン)単剤療法と主治医選択の化学療法を比較検証した第3相のMITO-23試験の結果がGemelli IRCCS and Catholic University of Sacred HeartのDomenica Lorusso氏らにより公表された。 MITO-23試験は、BRCA1/2遺伝子変異陽性およびBRCAnessの再発卵巣がん患者に対して、3週を1サイクルとしてヨンデリス1.3mg/m2単剤を投与する群(N=122人)、主治医選択の化学療法(ペグ化リポソームドキソルビシン、トポテカン、ゲムシタビン、パクリタキセル、またはカルボプラチン)を実施する群(N=122人)に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)を比較検証した前向きオープンラベルランダム化第3相試験である。 本試験に登録された244人の患者背景は、3レジメン以上の治療歴が70%、前治療歴の種類はPARP阻害薬が35.7%であった。 主要評価項目であるOSの中央値は、ヨンデリス単剤群の15.8ヶ月に対して主治医選択の化学療法群で17.9ヶ月であり、統計学的有意な差は確認されなかった(P=0.304)。無増悪生存期間(PFS)の中央値は、ヨンデリス単剤群の4.9ヶ月に対して主治医選択の化学療法群で4.4ヶ月を示した(P=0.897)。 評価可能であった208人において、客観的奏効率(ORR)はヨンデリス単剤群の17.1%に対して主治医選択の化学療法群で21.4%、奏効持続期間(DOR)の中央値は、ヨンデリス単剤群の5.62ヶ月に対して主治医選択の化学療法群で5.66ヶ月を示した。 一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)、重篤な有害事象(SAE)は主治医選択の化学療法群に比べてヨンデリス単剤群で高率であった。 以上のMITO-23試験の結果よりDomenica Lorusso氏らは、「BRCA1/2遺伝子変異およびBRCAnessの再発卵巣がん患者に対するヨンデリス単剤療法は、主治医選択の化学療法に比べてOSを改善せず、AEが高率でした」と結論付けた。 参照元:
Single-Agent Trabectedin Versus Physician's Choice Chemotherapy in Patients With Recurrent Ovarian Cancer With BRCA-Mutated and/or BRCAness Phenotype: A Randomized Phase III Trial(J Clin Oncol 2024. doi: 10.1200/JCO.23.01225.)
ニュース 卵巣がん トラベクテジン

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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