この記事の3つのポイント
・EGFR変異陽性の進行非小細胞肺がんが対象の第3相FLAURA2試験
・第3世代チロシンキナーゼ阻害薬タグリッソ+化学療法の有効性・安全性を検証
・タグリッソ単剤と比較して無増悪生存期間を有意に改善
2023年11月08日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて、上皮増殖因子受容体(EGFR)変異陽性の局所進行性/転移性非小細胞肺がんに対する初回治療としての第3世代チロシンキナーゼ阻害薬であるオシメルチニブ(製品名:タグリッソ)+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のFLAURA2試験(NCT04035486)の結果がDavid Planchard氏らにより公表された。
FLAURA2試験は、EGFR変異陽性の局所進行性/転移性非小細胞肺がんに対して1日1回タグリッソ80mgにペメトレキセド+シスプラチンもしくはカルボプラチンを併用する群、もしくは1日1回タグリッソ80mg単剤を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として主治医評価による無増悪生存期間(PFS)を比較検証した国際多施設共同の第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である主治医評価によるPFSは、タグリッソ単剤群に比べてタグリッソ+化学療法併用群で病勢進行または死亡のリスクを38%統計学的有意に改善した(HR:0.62,95%信頼区間:0.49-0.79,P<0.001)。また、24ヶ月PFSは、タグリッソ+化学療法併用群の57%(95%信頼区間:50%-63%)に対してタグリッソ単剤群で41%(95%信頼区間:35%-47%)を示した。
なお、盲検独立中央判定(BICR)によるPFSは、タグリッソ単剤群に比べてタグリッソ+化学療法併用群で病勢進行または死亡のリスクを38%改善し(HR:0.62,95%信頼区間:0.48-0.80)、主要評価項目の結果と同様の内容であった。
客観的奏効率(ORR)は、タグリッソ+化学療法併用群の83%に対してタグリッソ単剤群で76%、奏効持続期間(DOR)中央値はタグリッソ+化学療法併用群の24ヶ月(95%信頼区間:20.9-27.8ヶ月)に対してタグリッソ単剤群で15.3ヶ月(95%信頼区間:12.7-19.4ヶ月)を示した。一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)はタグリッソ単剤群に比べてタグリッソ+化学療法併用群で高率であり、高率な有害事象(AE)は化学療法特有のものであった。
以上のFLAURA2試験の結果よりDavid Planchard氏らは「EGFR変異陽性の局所進行性/転移性非小細胞肺がんに対する第3世代チロシンキナーゼ阻害薬タグリッソ+化学療法は、タグリッソ単剤群に比べてPFSを統計学的有意に改善しました」と結論付けている。
<a href="https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2306434?query=featured_home?query=featured_home
"rel="noopener"target="_blank"Osimertinib with or without Chemotherapy in EGFR-Mutated Advanced NSCLC(N Engl J Med 2023; DOI: 10.1056/NEJMoa2306434)あなたは医師ですか。