EGFR変異陽性の進行非小細胞肺がんに対するタグリッソ+化学療法、無増悪生存期間を有意に改善The New England Journal of Medicineより


  • [公開日]2023.11.22
  • [最終更新日]2023.11.21
この記事の3つのポイント
・EGFR変異陽性の進行非小細胞肺がんが対象の第3相FLAURA2試験
・第3世代チロシンキナーゼ阻害薬タグリッソ+化学療法有効性安全性を検証
・タグリッソ単剤と比較して無増悪生存期間を有意に改善

2023年11月08日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて、上皮増殖因子受容体(EGFR)変異陽性の局所進行性/転移性非小細胞肺がんに対する初回治療としての第3世代チロシンキナーゼ阻害薬であるオシメルチニブ(製品名:タグリッソ)+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のFLAURA2試験(NCT04035486)の結果がDavid Planchard氏らにより公表された。

FLAURA2試験は、EGFR変異陽性の局所進行性/転移性非小細胞肺がんに対して1日1回タグリッソ80mgにペメトレキセドシスプラチンもしくはカルボプラチンを併用する群、もしくは1日1回タグリッソ80mg単剤を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として主治医評価による無増悪生存期間(PFS)を比較検証した国際多施設共同の第3相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である主治医評価によるPFSは、タグリッソ単剤群に比べてタグリッソ+化学療法併用群で病勢進行または死亡のリスクを38%統計学的有意に改善した(HR:0.62,95%信頼区間:0.49-0.79,P<0.001)。また、24ヶ月PFSは、タグリッソ+化学療法併用群の57%(95%信頼区間:50%-63%)に対してタグリッソ単剤群で41%(95%信頼区間:35%-47%)を示した。

なお、盲検独立中央判定(BICR)によるPFSは、タグリッソ単剤群に比べてタグリッソ+化学療法併用群で病勢進行または死亡のリスクを38%改善し(HR:0.62,95%信頼区間:0.48-0.80)、主要評価項目の結果と同様の内容であった。

客観的奏効率ORR)は、タグリッソ+化学療法併用群の83%に対してタグリッソ単剤群で76%、奏効持続期間(DOR中央値はタグリッソ+化学療法併用群の24ヶ月(95%信頼区間:20.9-27.8ヶ月)に対してタグリッソ単剤群で15.3ヶ月(95%信頼区間:12.7-19.4ヶ月)を示した。一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)はタグリッソ単剤群に比べてタグリッソ+化学療法併用群で高率であり、高率な有害事象(AE)は化学療法特有のものであった。

以上のFLAURA2試験の結果よりDavid Planchard氏らは「EGFR変異陽性の局所進行性/転移性非小細胞肺がんに対する第3世代チロシンキナーゼ阻害薬タグリッソ+化学療法は、タグリッソ単剤群に比べてPFSを統計学的有意に改善しました」と結論付けている。

×

この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン