この記事の3つのポイント
・治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫を対象とした第1/2相試験
・新規セレブロンE3ユビキチンリガーゼ修飾薬Mezigdomide+デキサメタゾンの有効性・安全性を検証
・併用療法により有意な抗腫瘍効果を認める
2023年09月14日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対するMezigdomide+デキサメタゾン併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験の結果がPaul G. Richardson氏らにより公表された。
本試験は、複数治療歴のあるRRMMに対し、新規セレブロンE3ユビキチンリガーゼ修飾薬であるMezigdomide+デキサメタゾンを経口投与し、主要評価項目として第1相試験では安全性、薬物動態、第2相試験では客観的奏効率(ORR)、安全性等を検証した試験である。
本試験の結果、第1相試験で最も多く確認された用量制限毒性(DLT)は、好中球減少症、発熱性好中球減少症であった。また第2相試験推奨用量は1日1回Mezigdomide 1.0mgとして決定された。
第2相試験で最も多く確認された有害事象(AE)は好中球減少症77%、感染症65%(グレード3が29%、グレード4が6%)の患者で確認された。
主要評価項目であるORRは41%(95%信頼区間:31%-51%)、奏効持続期間(DOR)の中央値は7.6ヶ月(95%信頼区間:5.4-9.5ヶ月)、無増悪生存期間(PFS)の中央値は4.4ヶ月(95%信頼区間:3.0-5.5ヶ月)を示した。
以上の結果よりPaul G. Richardson氏らは「複数治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫に対するMezigdomide+デキサメタゾン併用療法は、臨床的意義のある抗腫瘍効果を示しました。また、主な患者で確認された治療関連有害事象は骨髄毒性でした」と結論付けている。
参照元:Mezigdomide plus Dexamethasone in Relapsed and Refractory Multiple Myeloma(N Engl J Med 2023; DOI: 10.1056/NEJMoa2303194)