非小細胞肺がんにおける遺伝子検査の認識・実施調査をWCLC2023で発表-武田薬品工業-


  • [公開日]2023.09.19
  • [最終更新日]2023.09.19

武田薬品工業株式会社は、2023年9月9日10~12日にシンガポールで開催された世界肺癌学会(The IASLC 2023 World Conference on Lung Cancer: WCLC2023)の年次総会において、非小細胞肺がんの患者さんの肺がん関連遺伝子検査(コンパニオン診断)に関する認識や実施状況を調査した研究(UMIN000048933)の結果を発表した。

今回の研究は、医学研究・臨床試験における「患者・市民参画(Patient and Public Involvement: PPI)」に関する日本での取り組みを受け、肺がん患者さんの視点を取り入れるために国内の複数の肺がん患者団体と協働し、肺がん診療医師、ゲノム情報解析企業、製薬企業を含むマルチステークホルダーから成るプロトコル委員会により実施された。

今回の調査は、18歳以上の非小細胞肺がんの患者さんのうち適格性基準に合致した214名が解析対象。まず、遺伝子検査の情報源としては、「医師」が一番多く、続いて「インターネット、公的機関のウェブサイト」が多いという結果となった。

検査において、検体採取やそれに伴う身体的負担、結果が出るまでにかかる時間やコストなどを考慮しても、できるだけ多くの遺伝子検査を希望すると回答した患者さんが77%以上を占めた。また遺伝子検査の実施方針に関して、過半数の患者さんが「医師からの情報提供を受けて、医師とディスカッションをし合意の上で進めたい」と考えていることが示され、医師と患者さんとのコミュニケーションの重要性が示唆された。

この結果を受け、NPO法人肺がん患者の会ワンステップ代表の長谷川一男氏は、ニュースリリースで「本研究に参加いただいた多くの肺がん患者さんにお礼を申し上げます。この研究結果を足がかりとし、引き続きがん患者さんを取り巻く様々なステークホルダーが力を結束することで、全ての肺がん患者さんが治療機会を逸失することなく最適な個別化医療へのアクセスが可能となる環境の構築が実現することを心から望んでいます」と語った。

参照元:
武田薬品 ニュースリリース

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