HER2陰性転移性食道/胃/食道胃接合部がんに対する抗PD-1抗体薬ニボルマブ+マルチキナーゼ阻害薬レゴラフェニブ+化学療法、有効性を示すThe Lancet Oncologyより


  • [公開日]2023.09.14
  • [最終更新日]2023.09.15
この記事の3つのポイント
HER2陰性転移性食道/胃/食道胃接合部がんを対象とした第2相試験
・初回治療におけるニボルマブレゴラフェニブおよび化学療法との併用療法有効性安全性を検証
主要評価項目である6ヶ月無増悪生存率の基準を達成

2023年09月01日、医学誌『The Lancet Oncology』にて、HER2陰性転移性食道/胃/食道胃接合部がん患者に対する抗PD-1抗体薬ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+マルチキナーゼ阻害薬レゴラフェニブ(製品名:スチバーガ)+化学療法併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT04757363)の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのSamuel L Cytryn氏らにより公表された。

進行性食道/胃/食道胃接合部がんは、化学療法へ抗PD-1抗体薬ニボルマブを上乗せすることで全生存期間OS)は改善したが、依然として予後不良であることが課題である。

本試験は、HER2陰性転移性食道/胃/食道胃接合部がん患者に対して28日を1サイクルとして、1日目と15日目にFOLFOX+ニボルマブ240mgを静脈内投与、そして1~21日目にレゴラフェニブ80mgを経口投与する併用療法を、病勢進行もしくは予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として6ヶ月無増悪生存率(PFS)が検証された。
本試験に登録された39人の患者背景は、年齢中央値は57歳(52~66歳)、性別は女性26%(N=9人)、人種は白人80%(N=28人)、アジア人20%(N=7人)であった。

フォローアップ期間中央値18.1ヶ月時点における結果は、主要評価項目である6ヶ月PFSは71%(95%信頼区間:54%–85%,N=25/35人)、主要評価項目達成基準を満たした。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認された全グレードのAEは疲労感が92%、グレード3もしくは4のAEは好中球数減少が46%、高血圧が15%、乾燥肌が13%、そう痒症が13%、発疹が13%、貧血が10%を示した。なお、治療関連有害事象(TRAE)による死亡は確認されたなかった。

以上の第2相試験の結果を受けてSamuel L Cytryn氏らは「HER2陰性転移性食道/胃/食道胃接合部がんに対する抗PD-1抗体薬ニボルマブ+マルチキナーゼ阻害薬レゴラフェニブ+化学療法は、忍容性も良好な期待のできる抗腫瘍効果を示した」と結論付けている。

参照元:
First-line regorafenib with nivolumab and chemotherapy in advanced oesophageal, gastric, or gastro-oesophageal junction cancer in the USA(The Lancet Oncology 2023. DOI:https://doi.org/10.)

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