この記事の3つのポイント
・EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がんを対象とした第3相MARIPOSA-2試験
・オシメルチニブ後の二重特異性抗体アミバンタマブ+化学療法±lラゼルチニブの有効性・安全性を検証
・化学療法単独と比較して、アミバンタマブ+化学療法±ラゼルチニブは無増悪生存期間を有意に改善
ベルギーのヤンセンファーマ社は9月06日、オシメルチニブ(製品名:タグリッソ)後に病勢進行したEGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対するEGFR/METに対する二重特異性抗体薬であるアミバンタマブ(商品名:RYBREVANT)±EGFRチロシンキナーゼ阻害薬ラゼルチニブ+化学療法(カルボプラチンとペメトレキセド)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のMARIPOSA-2試験において、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことを発表した。
MARIPOSA-2試験は、オシメルチニブ療法後に病勢進行したEGFR遺伝子エクソン19欠失変異(del19)またはL858R変異を有する局所進行/転移性NSCLC(N=657人)に対して、アミバンタマブ+化学療法を実施する群、もしくはアミバンタマブ+ラゼルチニブ+化学療法を実施する群、もしくは化学療法を実施する群に無作為に振り分け、主要評価項目として盲検独立中央判定(BICR)によるPFS、副次評価項目としてBICRによる客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、奏効持続期間(DOR)などを比較検証した試験である。
本試験の結果、主要評価項目であるPFSは、アミバンタマブ+化学療法併用群、アミバンタマブ+ラゼルチニブ+化学療法併用群それぞれが化学療法単独群に比べて統計学的有意な改善を示し、主要評価項目を達成した。一方の安全性として、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなく、既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致していた。
MARIPOSA-2試験の主要評価項目の結果より、ヤンセンファーマ社のPeter Lebowitz氏は「EGFR遺伝子変異陽性の局所進行性/転移性非小細胞肺がん患者さんに対するEGFR/METに対する二重特異性抗体薬であるアミバンタマブベースの治療は、臨床的意義のある効果を示し、本疾患の治療へパライムシフトをもたらす可能性が示唆されました」と述べている。
なお試験結果の詳細は、今後学会で発表される予定である。
参照元:Janssen ヤンセンファーマ社 プレスリリース