アストラゼネカ株式会社とMSD株式会社は8月23日、「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」の適応症において、リムパーザ(一般名:オラパリブ)とアビラテロンおよびプレドニゾロンとの併用療法が承認されたことを発表した。
今回の承認は、治療歴のないBRCA遺伝子変異を有する転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)において、PARP阻害剤であるリムパーザとアビラテロンの併用療法が、アビラテロン単独療法と比較して、画像診断による無増悪生存期間(rPFS)および全生存期間(OS)を有意に改善するを示した第III相PROpel試験のサブグループ解析に基づくものである。
mCRPCは、男性ホルモンの作用を阻害するアンドロゲン除去療法を行ったにもかかわらず、前立腺がんが増殖し、他の部位に転移が見られる場合に診断される。
進行性前立腺がんの約10~20%は5年以内に去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)へと進行し、その大部分が既に転移を有するか2年以内に転移が出てくると報告されている。
治療の選択肢が限られており、アンメットニーズが高い領域とされている。
今回の承認を受けて、慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室教授の大家基嗣先生は「PROpel試験のデータから、リムパーザとアビラテロンの併用によって、BRCAmのmCRPC患者さんにおける臨床的に意義のある転帰の改善が示されました。今回の承認により、日本の患者さんは、新たにBRCAmのmCRPCに対する標準治療として期待されるこの新しい併用療法のベネフィットを受けられるようになります」とコメントしている。
参照元:
アストラゼネカ株式会社 プレスリース
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