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パージェタとハーセプチンの配合皮下注製剤フェスゴなど4つのがん治療関連薬剤が承認・一変承認へ

[公開日] 2023.08.02[最終更新日] 2023.08.02

7月31日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は、審議項目として7製品の審議を行い、うち2製品が抗がん剤関連であった。また、報告事項として7製品を報告し、うち2製品ががん治療薬関連であった。

報告事項:医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階において、承認して差し支えないとされ、部会では審議せず報告のみでいいと判断されたもの。

審議品目

フェスゴ配合皮下注MA、同配合皮下注IN(ペルツズマブ(遺伝子組換え)、トラスツズマブ(遺伝子組換え)及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え))

効能・効果:HER2陽性乳がん、がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん 申請企業:中外製薬

パージェタ(一般名:ペルツズマブ)とハーセプチン(一般名:トラスツズマブ)は、いずれもがん細胞の増殖に関与するヒト上⽪増殖因⼦受容体2型(HER2)を標的とするヒト化モノクローナル抗体である。パージェタはHER2の細胞外領域に、ハーセプチンは細胞膜近接部位にそれぞれ結合するため、2つ同時に使うことにより、HERシグナル伝達系をより広範囲に遮断することが可能になると考えられてる。

フェスゴは、パージェタおよびハーセプチンと、ボルヒアルロニダーゼ アルファ(rHuPH20)の溶液が1本のバイアルに入っており、固定用量による投与が可能な配合皮下注製剤。rHuPH20によってヒアルロン酸が加水分解されることで皮下組織での浸透性が増加し、パージェタとハーセプチンが拡散・吸収され、それぞれ抗腫瘍効果を発揮すると考えられている。

点滴注射と比較して大容量の薬を短時間で投与可能なため、投与時間の短縮による患者さんの負担軽減などが期待されている。

エンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクスデカン)

効能・効果:化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳がん、化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳がん、がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん、がん化学療法後に増悪したHER2遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん  ※太字の効能・効果が今回の審議対象 申請企業:第一三共

エンハーツは、ヒト化HER2モノクローナル抗体であるトラスツズマブに、リンカーを介してトポイソメラーゼI阻害薬を結合させた抗体薬物複合体(ADC:Antibody Drug Conjugate)である。がん細胞の膜状に発現するHER2に結合することで細胞内に取り込まれた後リンカーが加水分解され、遊離したトポイソメラーゼI阻害薬ががんの増殖を抑制すると考えられている。

本剤の対象であるHER2遺伝子変異症例は、非小細胞肺がんの約3%と報告されており、患者数は約8,400人と推定される。

報告品目

リムパーザ(一般名:オラパリブ)

申請企業:アストラゼネカ

効能・効果:白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法、BRCA遺伝子変異陽性の卵巣がんにおける初回化学療法後の維持療法、相同組換え修復欠損を有する卵巣がんにおけるベバシズマブを含む初回化学療法後の維持療法、がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん、BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術後薬物療法、BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん、BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵がんにおける白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法
 ※太字の効能・効果が今回の報告対象

既に承認されている「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」の用量に関して、「通常、成人にはオラパリブとして1回300mgを1日2回、経口投与する。他の薬剤と併用する場合は、アビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾロンと併用すること。なお、患者の状態により適宜減量する」という併用時に関する文言が追加された。

➀ぺグフィルグラスチムBS皮下注「モチダ」、➁ペグフィルグラスチムBS皮下注「ニプロ」(一般名:ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)[ペグフィルグラスチム後続1])

効能・効果:がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制 申請企業:➀持田製薬、➁持田製薬販売

ぺグフィルグラスチムは、フィルグラスチムの効果をより持続されるために化学修飾(N末端をPEG化)した遺伝子組み換えヒトG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)製剤である。骨髄中の好中球前駆細胞に存在する G-CSF 受容体に結合し、好中球前駆細胞から好中球への分化を促し、末梢血中の好中球数を増加させると考えられている。

今回は、ジーラスタ(一般名:ペグフィルグラスチム)のバイオ後続品として1つ目の品目となる。

参照元:
厚生労働省 薬事・食品衛生審議会(薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会)
ニュース がん一般

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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