抗PD-1抗体キイトルーダ、HER2陰性の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する化学療法との併用で承認を申請-MSD-


  • [公開日]2023.05.17
  • [最終更新日]2023.05.25

MSD株式会社は5月12日、抗PD-1抗体「キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ遺伝子組換え))」について、HER2陰性の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する化学療法との併用療法としての製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表した。

胃がんは、日本のがん罹患率、死亡率においてともに第3位のがんであり、2019年には約12.4万人が新たに胃がんと診断され、2020年には約4.2万人が亡くなっている。胃がんは初期症状に乏しく、進行もゆっくりであることから、早期の発見が難しい。特にⅣ期の胃がんと診断された患者さんの5年相対生存率は6.2%と低く、新たな治療法の開発が求められてきた。

今回の製造販売承認事項の一部変更承認申請は、国際共同第3相試験であるKEYNOTE-859試験の結果に基づいている。同試験において、HER2陰性の治癒切除不能な進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんの患者に対する一次治療として、キイトルーダと化学療法(フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤)の併用療法をプラセボと化学療法の併用療法と比較したところ、キイトルーダと化学療法の併用療法では、主要評価項目である全生存期間OS)の有意な改善が示された。また、副次評価項目である無増悪生存期間PFS)および全奏効率ORR)についても、統計学的に有意で臨床的に意味のある改善が認められた。なお、本試験におけるキイトルーダと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されている臨床試験と同様だったと発表した。

キイトルーダとは

キイトルーダは、免疫チェックポイント受容体であるPD-1(Programmed death receptor-1)に対するヒト化モノクローナル抗体。活性化T細胞上のPD-1に結合することにより、がん細胞上のPD-L1及びPD-L2との結合を阻害し、がん細胞による活性化T細胞の抑制を阻害する。その結果、抑制されていたT細胞が再度がん抗原を認識した際に再活性化され、がん細胞を排除できるようになる。

参照元:
MSD株式会社 ニュースリリース

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