複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫に対する抗GPRC5D/CD3二重特異性抗体RG6234単剤療法、全奏効率71.4%を示すASH 2022


  • [公開日]2023.01.04
  • [最終更新日]2022.12.26
この記事の3つのポイント
・複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫患者が対象の第1相試験
・抗GPRC5D/CD3二重特異性抗体RG6234単剤療法有効性安全性を検証
・全奏効率は静脈投与群で71.4%、皮下注投与群で60.4%を示した

2022年12月10日~13日、米国ルイジアナ州・ニューオーリンズで開催されたASH 2022 Annual Meetingにて複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫患者に対する抗Gタンパク質共役受容体クラス5メンバーD(GPRC5D)/CD3二重特異性抗体RG6234単剤療法の有効性、安全性を検証した第1相試験(NCT04557150)の結果がHumanitas University and IRCCS Humanitas Research HospitalのCarmelo Carlo-Stella氏らにより公表された。

本試験は、複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫患者(N=105人)に対してRG6234単剤を6〜10000µg静脈投与する群(N=51人)、もしくはRG6234単剤を30〜7200µg皮下注投与する群(N=54人)に振り分け、主要評価項目として用量制限毒性DLT)、安全性、忍容性などを検証した第1相試験である。

本試験が開始された背景として、近年治療開発の進展にも関わらず、新規多発性骨髄腫は最終的には再発、病勢進行の経過になる疾患であるため、新規作用機序の治療薬の開発が必要である。Gタンパク質共役受容体クラス5メンバーD(GPRC5D)は正常組織での発現は限られるが、多発性骨髄腫(MM)の形質細胞には多く発現しており、Gタンパク質共役受容体クラス5メンバーD(GPRC5D)、CD3を標的にする二重特異性抗体であるRG6234単剤療法は再発/難治性多発性骨髄腫の治療薬になり得る可能性がある。以上の背景より、本試験が開始された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齡中央値は静脈投与(IV)群の62歳(27~78歳)に対して皮下注投与(SC)群で64歳(46~79歳)。前治療歴中央値は静脈投与(IV)群の5レジメン(2~15レジメン)に対して皮下注投与(SC)群で4レジメン(2~14レジメン)。3クラス抵抗性のある患者は静脈投与(IV)群の63.3%に対して皮下注投与(SC)群で73.1%、5クラス抵抗性のある患者は静脈投与(IV)群の30.6%に対して皮下注投与(SC)群で42.3%。抗BCMA抗体歴のある患者は静脈投与(IV)群の19.6%に対して皮下注投与(SC)群で20.4%。ハイリスク染色体異常(t(4;14)、t(14;16)、del(17p))のある患者は静脈投与(IV)群の46.7%に対して皮下注投与(SC)群で50.0%。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

本試験の結果、全奏効率(ORR)は静脈投与(IV)群の71.4%に対して皮下注投与(SC)群で60.4%、奏効の内訳は最良部分奏効(VGPR)以上は静脈投与(IV)群の57.1%に対して皮下注投与(SC)群で39.6%を示した。患者背景別の奏効率(RR)は抗BCMA抗体歴のある患者で55.6%(N=10/18人)、ハイリスク染色体異常のある患者で64.2%(N=18/28人)を示した。初回奏効までの期間は静脈投与(IV)群の1.4ヶ月(95%信頼区間:1.2-1.8ヶ月)に対して皮下注投与(SC)群で1.6ヶ月(95%信頼区間:1.2-2.1ヶ月)、奏効持続期間(DOR)中央値は静脈投与(IV)群の12.9ヶ月に対して皮下注投与(SC)群で8.8ヶ月を示した。

一方、安全性として、最も多くの患者で確認された有害事象(AE)は、サイトカイン放出症候群CRS)が静脈投与(IV)群の82.4%に対して皮下注投与(SC)群で77.8%であり、グレード3以上のサイトカイン放出症候群(CRS)は静脈投与(IV)群の2.0%に対して皮下注投与(SC)群で1.9%であった。なお、大半のサイトカイン放出症候群(CRS)は1サイクル目で確認されており、管理可能なものであった。全患者群で確認された関連神経毒性症候群(ICANS)は全グレードで8.6%、グレード3以上は1.9%であった。

グレード3以上の血液関連有害事象(TRAE)は、貧血が静脈投与(IV)群の13.7%に対して皮下注投与(SC)群で5.2%、血小板減少症が静脈投与(IV)群の13.8%に対して皮下注投与(SC)群で18.5%、好中球減少症が静脈投与(IV)群の11.8%に対して皮下注投与(SC)群で16.7%。感染症は全グレードで静脈投与(IV)群の56.9%に対して皮下注投与(SC)群で37.0%、グレード3以上で静脈投与(IV)群の19.6%に対して皮下注投与(SC)群で24.1%であった。RG6234関連の有害事象(AE)による治療中止率は静脈投与(IV)群の3.9%に対して皮下注投与(SC)群で3.7%であった。なお、グレード5の急性呼吸器不全は皮下注投与(SC)群で1.9%(N=1人)が確認されている。

以上の第1相試験の結果よりCarmelo Carlo-Stella氏らは「複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫患者に対する抗Gタンパク質共役受容体クラス5メンバーD(GPRC5D)/CD3二重特異性抗体RG6234単剤療法は良好な抗腫瘍効果を示しました。静脈投与と皮下注投与の評価は現在進行中です。今後最新のデータが発表される予定です」と結論を述べている。

RG6234, a GPRC5DxCD3 T-Cell Engaging Bispecific Antibody, Is Highly Active in Patients (pts) with Relapsed/Refractory Multiple Myeloma (RRMM): Updated Intravenous (IV) and First Subcutaneous (SC) Results from a Phase I Dose-Escalation Study(64th ASH Annual Meeting & Exposition,Abstract 161)

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