未治療のステージIIIc/IVメラノーマに対する抗PD-L1抗体薬アテゾリズマブ+BRAF阻害薬ゼルボラフ+MEK阻害薬コビメチニブ併用療法、全生存期間の有意な改善を認めずThe Lancet Oncologyより


  • [公開日]2022.12.07
  • [最終更新日]2022.12.05
この記事の3つのポイント
・未治療のステージIIIc/IVメラノーマ患者が対象の第3相試験
・抗PD-L1抗体薬アテゾリズマブ+BRAF阻害薬ゼルボラフ+MEK阻害薬コビメチニブ併用療法有効性安全性をゼルボラフ+コビメチニブ併用療法と比較検証
全生存期間はテセントリク+ゼルボラフ+コビメチニブ併用群で39.0ヶ月と、ゼルボラフ+コビメチニブ併用群の25.8ヶ月に対して改善を認めず

11月29日、医学誌『The Lancet Oncology』にて未治療のステージIIIc/IV悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する抗PD-L1抗体薬であるテセントリク(一般名:アテゾリズマブ、以下テセントリク)+BRAF阻害薬であるゼルボラフ(一般名:ベムラフェニブ、以下ゼルボラフ)+MEK阻害薬であるコビメチニブ併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のIMspire150試験(NCT02908672)の中間解析の結果がIstituto Nazionale Tumori Istituto di Ricovero e Cura a Carattere Scientifico Fondazione PascaleのPaolo A Ascierto氏らにより公表された。

IMspire150試験は、未治療のステージIIIc/IV悪性黒色腫(メラノーマ)患者(N=514人)に対して、28日を1サイクルとして1、15日目にテセントリク840mg+1日2回ゼルボラフ720mg/960mg+1~21日目に1日1回コビメチニブ60mg併用療法を実施する群(N=256人)、もしくは28日を1サイクルとしてプラセボ+1日2回ゼルボラフ720mg/960mg+1~21日目に1日1回コビメチニブ60mg併用療法を実施する群(N=258人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として主治医評価の無増悪生存期間PFS)を比較検証した多施設共同二重盲検下プラセボ対照の第3相試験である。

本試験に登録された514人の患者の年齢中央値は54歳(43~63歳)、性別は男性58%(N=299人)、女性42%(N=215人)。以上の背景を有する患者に対する、本試験のテセントリク+ゼルボラフ+コビメチニブ併用群のフォローアップ期間中央値29.1ヶ月時点における結果は下記の通りである。

全生存期間(OS)中央値はテセントリク+ゼルボラフ+コビメチニブ併用群の39.0ヶ月(95%信頼区間:29.9ヶ月~未到達)に対してプラセボ+ゼルボラフ+コビメチニブ併用群で25.8ヶ月(95%信頼区間:22.0~34.6ヶ月)と、テセントリク+ゼルボラフ+コビメチニブ併用群で死亡(OS)のリスクを16%減少(HR:0.84、95%信頼区間:0.66-1.06、P=0.14)した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認された全グレード有害事象(AE)は、テセントリク+ゼルボラフ+コビメチニブ併用群で血中クレアチンホスホキナーゼ増加が53%(N=123人)、下痢が50%(N=116人)、食欲不振が50%(N=115人)であった。また、プラセボ+ゼルボラフ+コビメチニブ併用群では、下痢が56%(N=157人)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加が48%(N=135人)、皮膚障害が43%(N=119人)であった。

最も多くの患者で確認されたグレード3~4の有害事象(AE)は、リパーゼ増加がテセントリク+ゼルボラフ+コビメチニブ併用群の23%(N=54人)に対してプラセボ+ゼルボラフ+コビメチニブ併用群で22%(N=62人)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加が22%(N=51人)に対して18%(N=50人)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加が14%(N=32人)に対して9%(N=26人)であった。重篤な有害事象(SAE)発症率はテセントリク+ゼルボラフ+コビメチニブ併用群の48%に対してプラセボ+ゼルボラフ+コビメチニブ併用群で42%であった。

以上のIMspire150試験の結果よりPaolo A Ascierto氏らは「未治療のステージIIIc/IV悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する抗PD-L1抗体薬テセントリク+BRAF阻害薬ゼルボラフ+MEK阻害薬コビメチニブ併用療法は、プラセボ+ゼルボラフ+コビメチニブ併用療法に比べて全生存期間(OS)を統計学有意に改善しませんでした。この3剤併用療法の長期投与により、ゼルボラフ+コビメチニブと比較して全生存期間の有意な改善が得られるかどうか、最終解析の結果が待たれます」と結論を述べている。

Overall survival with first-line atezolizumab in combination with vemurafenib and cobimetinib in BRAFV600 mutation-positive advanced melanoma (IMspire150): second interim analysis of a multicentre, randomised, phase 3 study(Lancet Oncol. 2022 Nov 29;S1470-2045(22)00687-8. doi: 10.1016/S1470-2045(22)000687-8.)

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