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FGFR2b選択的HER2陰性胃/胃食道接合部腺がんに対するBemarituzumab+mFOLFOX6療法、有望な臨床効果を示すも無増悪生存期間を統計学的有意に改善せずThe Lancet Oncologyより


  • [公開日]2022.10.20
  • [最終更新日]2022.10.19
この記事の3つのポイント
・FGFR2b選択的HER2陰性胃/胃食道接合部腺がん患者が対象の第2相試験
・Bemarituzumab(ベマリツズマブ)+mFOLFOX6併用療法有効性安全性をプラセボ++mFOLFOX6と比較検証
無増悪生存期間はBemarituzumab群9.5ヶ月に対してプラセボ群7.4ヶ月であり、統計学的有意な改善は認めず

10月13日、医学誌『The Lancet Oncology』にてFGFR2b選択的HRE2陰性胃/胃食道接合部腺がん患者に対する抗FGFR2b抗体薬であるBemarituzumab(ベマリツズマブ)+mFOLFOX6(オキサリプラチンロイコボリン+5-フルオロウラシル)療法の有効性、安全性を検証した第2相のFIGHT試験(NCT03694522)の結果がUniversity of California Los Angeles Medical CenterのZev A Wainberg氏らにより公表された。

本試験は、FGFR2b選択的HER2陰性胃/胃食道接合部腺がん患者(N=155人)に対して2週を1サイクルとしてBemarituzumab15mg/kg+mFOLFOX6(療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで実施する群(N=77人)、もしくは2週を1サイクルとしてプラセボ+mFOLFOX6療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで実施する群(N=78人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として安全性などを検証したランダム化二重盲検下プラセボ対照の第2相試験である。

本試験が開始された背景として、HER2陰性の進行性胃/胃食道接合部腺がんの予後は不良である。以上の背景より、FGFR2b選択的HER2陰性胃/胃食道接合部腺がんに対する抗FGFR2b抗体薬であるBemarituzumab療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験に登録された155人の患者の年齢中央値は60歳(51~67歳)。性別は女性が28%(N=44人)、男性が72%(N=111人)。人種はアジア人が57%(N=89人)、白人が39%(N=61人)。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

フォローアップ期間中央値10.9ヶ月時点における結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はBemarituzumab+mFOLFOX6療法群の9.5ヶ月(95%信頼区間:7.3-12.9ヶ月)に対してプラセボ+mFOLFOX6療法群で7.4ヶ月(95%信頼区間:5.8-8.4ヶ月)と、Bemarituzumab+mFOLFOX6療法群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを32%(HR:0.68、95%信頼区間:0.44-1.04、P=0.073)減少した。

一方の安全性として、多くの患者で確認されたグレード3以上の有害事象(AE)は、好中球数減少がBemarituzumab+mFOLFOX6療法群の30%(N=23/76人)に対してプラセボ+mFOLFOX6療法群で35%(N=27/77人)、角膜障害が24%(N=18人)に対して0%、好中球減少症が13%(N=10人)に対して9%(N=7人)、口内炎が9%(N=7人)に対して1%(N=1人)、貧血が8%(N=6人)に対して13%(N%10人)であった。全グレードの角膜障害はBemarituzumab+mFOLFOX6療法群の67%(N=51人)に対してプラセボ+mFOLFOX6療法群で10%(N=8人)であった。

重篤な治療関連有害事象(SAE)発症率はBemarituzumab+mFOLFOX6療法群の32%(N=24人)に対してプラセボ+mFOLFOX6療法群で36%(N=28人)、mFOLFOX6療法関連の重篤な治療関連有害事象(SAE)発症率はBemarituzumab+mFOLFOX6療法群の12%(N=9人)に対してプラセボ+mFOLFOX6療法群で19%(N=15人)であった。

以上のFIGHT試験の結果よりZev A Wainberg氏らは「FGFR2b選択的HER2陰性胃/胃食道接合部腺癌患者に対する抗FGFR2b抗体薬であるBemarituzumab+mFOLFOX6療法は、抗腫瘍効果は良好であるものの、プラセボ+mFOLFOX6療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を統計学有意に改善しませんでしたが、有望な臨床効果を示しました」と結論を述べている。

Bemarituzumab in patients with FGFR2b-selected gastric or gastro-oesophageal junction adenocarcinoma (FIGHT): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2 study(Lancet Oncol. 2022 Oct 13;S1470-2045(22)00603-9. doi: 10.1016/S1470-2045(22)00603-9.)

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