【プレゼントキャンペーン】がん研有明病院 高野先生書籍「がんとともに、自分らしく生きる~希望をもって、がんと向き合う「HBM」のすすめ~」

転移性/局所進行性肛門扁平上皮がんに対する一次治療としてのテセントリク+ドセタキセル+シスプラチン+5FU併用療法、無増悪生存率を改善せずASCO 2022


  • [公開日]2022.07.11
  • [最終更新日]2022.07.11
この記事の3つのポイント
転移性/局所進行性肛門扁平上皮がん患者が対象の第3相試験
ファーストライン治療としてのテセントリク+ドセタキセルシスプラチン+5FU併用療法有効性安全性を比較検証
・12ヶ月無増悪生存率は44.2%であり、ドセタキセル+シスプラチン+5FU併用群の43.2%に対して有意差を示さず

6月3日~7日、米国イリノイ州シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2022)にて転移性/局所進行性肛門扁平上皮がんに対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬であるテセントリク(一般名:アテゾリズマブ、以下テセントリク)+ドセタキセル+シスプラチン+5FU併用療法の有効性、安全性を検証した第3相のA SCARCE-PRODIGE 60試験(NCT03519295)の結果がBourgogne-Franche Comté UniversityのStefano Kim氏らにより公表された。

A SCARCE-PRODIGE 60試験は、転移性/局所進行性肛門扁平上皮がん患者(N=97人)に対するファーストライン治療として2週を1サイクルとしてテセントリク800mg+1日目にドセタキセル40mg/m2+1日目にシスプラチン40mg/m2+5FU1200mg/m2併用療法を実施する群(N=64人)、もしくは2週を1サイクルとして1日目にドセタキセル40mg/m2+1日目にシスプラチン40mg/m2+5FU 1200mg/m2併用療法を実施する群(N=33人)に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として12ヶ月無増悪生存率(PFS)を検証した多施設共同の第2相試験である。

本試験が開始された背景として、ドセタキセル+シスプラチン+5FU併用療法は転移性/局所進行性肛門扁平上皮がんに対する標準治療の1つであり、12ヶ月無増悪生存率(PFS)は47%を示した。また、進行性肛門扁平上皮がんに対する免疫チェックポイント阻害薬単剤療法は良好な抗腫瘍効果が確認されている。以上の背景より、転移性/局所進行性肛門扁平上皮がんに対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬テセントリク+ドセタキセル+シスプラチン+5FU併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験に登録された97人の患者背景は下記の通りである。年齢中央値は64.1歳、性別は女性73.2%。ECOG Performance Statusはスコア1がテセントリク群の42.2%に対してテセントリク非投与群27.3%。以上の背景を有する患者に対する本試験のフォローアップ期間中央値22.3ヶ月時点における結果は下記の通りである。

主要評価項目である12ヶ月無増悪生存率(PFS)はテセントリク+ドセタキセル+シスプラチン+5FU併用群の44.2%(90%信頼区間:33.7-54.2%)に対してドセタキセル+シスプラチン+5FU併用群で43.2%(90%信頼区間:28.5-57.0%)であった。

12ヶ月全生存率(OS)はテセントリク+ドセタキセル+シスプラチン+5FU併用群の77.7%(95%信頼区間:68.1-88.7%)に対してドセタキセル+シスプラチン+5FU併用群で80.8%(95%信頼区間:68.1-95.9%)を示した。客観的奏効率ORR)はテセントリク+ドセタキセル+シスプラチン+5FU併用群の74.6%に対してドセタキセル+シスプラチン+5FU併用群で78.1%であった。

グレード3以上の有害事象(AE)発症率はテセントリク+ドセタキセル+シスプラチン+5FU併用群の59.0%に対してドセタキセル+シスプラチン+5FU併用群で36.4%を示した。

以上のA SCARCE-PRODIGE 60試験の結果よりStefano Kim氏らは「転移性/局所進行性肛門扁平上皮がんに対するファーストライン治療としてのドセタキセル+シスプラチン+5FU併用療法は安全性で、良好な抗腫瘍効果が確認されました。しかしながら、免疫チェックポイント阻害薬の追加投与により、12ヶ月無増悪生存率(PFS)や12ヶ月全生存率(OS)を臨床的有意に改善するまでには至りませんでした」と結論を述べている。

Atezolizumab plus modified DCF (docetaxel, cisplatin, and 5-fluorouracil) as first-line treatment for metastatic or locally advanced squamous cell anal carcinoma: A SCARCE-PRODIGE 60 randomized phase II study.(2022 ASCO Annual Meeting, Abstract No:3508)

×

大腸がんの治験・臨床試験広告


この記事に利益相反はありません。