6月20日、中外製薬株式会社は、遺伝子組換えヒトG-CSF製剤であるノイトロジン(一般名:レノグラスチム(遺伝子組換え))と抗悪性腫瘍剤/抗VEGFヒト化モノクローナル抗体であるアバスチン(一般名:ベバシズマブ(遺伝子組換え))について、厚生労働省より公知申請に基づく承認事項の一部変更承認を取得したと発表した。
今回の一変承認は、ノイトロジンの「再発又は難治性の急性骨髄性白血病に対する抗悪性腫瘍剤との併用療法」の適応追加、アバスチンの卵巣がんにおける「10mg/kgを2週間間隔投与」の用法・用量追加である。両剤は、2021年12月20日に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において検討が行われ、医学薬学上公知であると判断されていた。
ノイトロジンの適応追加
海外の診療ガイドラインでは、再発または難治性の急性骨髄性白血病に対する治療選択肢として抗悪性腫瘍剤であるフルダラビンやシタラビンなどとノイトロジンを併用するFLAG+IDA療法が記載されている。しかし、治療選択肢は限局的であるため、医療ニーズは高く治療選択肢の充実が求められている。今回の公知申請の背景には、日本血液学会および日本小児血液・がん学会からの開発の要望があった。
アバスチンの用法・用量追加
進行した初発卵巣がんでは、再発することも多く、初回治療、再発治療ともに選択肢の拡充が求められている。日本においては、2013年11月にアバスチンの卵巣がんにおける承認を取得しており、その際の用量・用法は15 mg/kg 3週間間隔投与であった。白金製剤耐性再発卵巣がんに対する治療では、化学療法+アバスチン(10mg/kg 2週間隔投与)併用療法が国内外のガイドラインにて標準治療の一つと位置付けられており、すでに海外では承認されていた。アバスチンの用法・用量の追加については、日本婦人科腫瘍学会および日本産科婦人科学会より、それぞれ開発の要望があった。
参照元:中外製薬株式会社 ニュースリリース