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治療歴のあるHER2陽性転移性乳がんに対するツカチニブ+トラスツズマブ+カペシタビン併用療法、無増悪生存期間を延長Annals of Oncologyより


  • [公開日]2022.01.21
  • [最終更新日]2022.01.19
この記事の3つのポイント
・治療歴のあるHER2陽性転移性乳がん患者が対象の第2相試験
・ツカチニブ+トラスツズマブカペシタビン併用療法の有効性安全性をトラスツズマブ+カペシタビン併用療法と比較検証
無増悪生存期間は7.6ヶ月であり、トラスツズマブ+カペシタビン(4.9ヶ月)に対して統計学的有意に改善した

2021年12月22日、医学誌『Annals of Oncology』にて治療歴のあるHER2陽性転移性乳がん患者に対する経口HER2チロシンキナーゼ選択的阻害薬であるツカチニブ+トラスツズマブ+カペシタビン併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のHER2CLIMB試験(NCT02614794)の最終解析の結果がUniversity of MilanoのG. Curigliano氏らにより公表された。

HER2CLIMB試験とは、抗HER2抗体(トラスツズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ エムタンシン)の治療歴のあるHER2陽性転移性乳がん患者(N=612人)に対して21日を1サイクルとして1日2回ツカチニブ300mg+1日目にトラスツズマブ8mg/kg+1~14日目に1日2回カペシタビン1000mg/m2併用療法を実施する群、または21日を1サイクルとしてプラセボ+1日目にトラスツズマブ8mg/kg+1~14日目に1日2回カペシタビン1000mg/m2併用療法を実施する群に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間OS)、脳転移のある患者における無増悪生存期間(PFS)などを比較検証した第2相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値29.6ヶ月時点において、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はツカチニブ+トラスツズマブ+カペシタビン併用群の7.6ヶ月に対してプラセボ+トラスツズマブ+カペシタビン併用群で4.9ヶ月と、ツカチニブ+トラスツズマブ+カペシタビン併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを43%(HR:0.57、95%信頼区間:0.47-0.70、P<0.00001)減少した。また、1年無増悪生存率(PFS)はツカチニブ+トラスツズマブ+カペシタビン併用群の29%に対してプラセボ+トラスツズマブ+カペシタビン併用群で14%を示した。

副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はツカチニブ+トラスツズマブ+カペシタビン併用群の24.7ヶ月に対してプラセボ+トラスツズマブ+カペシタビン併用群で19.2ヶ月と、ツカチニブ+トラスツズマブ+カペシタビン併用群で死亡(OS)のリスクを27%(HR:0.73、95%信頼区間:0.59-0.90、P=0.004)減少した。また、2年全生存率(OS)はツカチニブ+トラスツズマブ+カペシタビン併用群の51%に対してプラセボ+トラスツズマブ+カペシタビン併用群で40%を示した。

以上のHER2CLIMB試験の最終解析の結果よりG. Curigliano氏ら「治療歴のあるHER2陽性転移性乳がん患者に対する経口HER2チロシンキナーゼ選択的阻害薬ツカチニブ+トラスツズマブ+カペシタビン併用療法は、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)において臨床的意義のある改善効果を示しました」と結論を述べている。

Tucatinib vs Placebo Added to Trastuzumab and Capecitabine for Patients with Pretreated HER2+ Metastatic Breast Cancer with and without Brain Metastases (HER2CLIMB): Final Overall Survival Analysis(Ann Oncol. 2021 Dec 22;S0923-7534(21)04879-1. doi: 10.1016/j.annonc.2021.12.005.)

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