2021年12月11日~13日に開催された、第63回米国血液学会(ASH2021)にて再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者に対するBelantamab Mafodotin(べランタマブ マフォドチン)+細胞傷害性T細胞およびメモリーT細胞の活性化と生存を促進する活性化受容体アゴニストであるaICOS(Inducible T-cell co-stimulator)併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のDREAMM-5試験の結果がUniversity of WisconsinのNatalie S. Callander氏らにより公表された。
DREAMM-5試験は、再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者(N=23人)に対してBelantamab Mafodotin 1.9mg/kg+aICOS 8mg併用療法を実施する群(コホートA、N=9人)、Belantamab Mafodotin 2.5mg/kg+aICOS 8mg併用療法を実施する群(コホートB、N=10人)、Belantamab Mafodotin 2.5mg/kg+aICOS 24mg併用療法を実施する群(コホートC、N=4人)に振り分け、主要評価項目として第2相試験推奨用量(RP2D)、安全性等を検証した第1/2相試験である。
本試験が開始された背景として、第2相のDREAMM-2試験(NCT03525678)にて、複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者に対してBelantamab Mafodotinは、持続的な抗腫瘍効果が示されている。以上の背景より、aICOSをBelantamab Mafodotinに併用した治療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。
本試験に登録された23人の患者背景は下記の通りである。前治療歴中央値は5レジメン(3~10レジメン)。ECOG PSスコアは0~1が91%(N=21人)、スコア2が9%(N=2人)。ハイリスク異常のある患者は30%(N=7人)。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。
全患者における臨床奏効率(clinical response rate)は、48%(N=11人、95%信頼区間:26.8~69.4%)で、奏効を示した患者のうち、最良部分奏効(VGPR)以上の患者は26%(N=6人)を示した。
一方の安全性として、有害事象(AE)発症率は83%(N=19人)を示し、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は52%(N=12人)をであった。
以上のDREAMM-5試験の結果よりNatalie S. Callander氏らは、「再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者に対するBelantamab Mafodotin+aICOS併用療法は、管理可能な安全性プロファイルを示し、臨床で期待のできる抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。 DREAMM-5 Study: Investigating the Synergetic Effects of Belantamab Mafodotin Plus Inducible T-Cell Co-Stimulator Agonist (aICOS) Combination Therapy in Patients with Relapsed/Refractory Multiple Myeloma(ASH2021 Annual Meeting&Exposition Abstract#897)