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移植適応のある新規多発性骨髄腫患者に対する新規プロテアソーム阻害薬カイプロリス+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法、最良部分奏効率70%を示す

[公開日] 2021.11.26[最終更新日] 2021.11.26

この記事の3つのポイント ・移植適応のある新規多発性骨髄腫患者が対象の第2相試験 ・カイプロリス+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法、  自家造血幹細胞移植併用大量化学療法の有効性・安定性を比較検証 ・最良部分奏効率は70%を示し、カイプロリス+シクロスファミド+デキサメタゾン併用群(53%)  に対して高率であった

2021年11月11日、医学誌『The Lancet Oncology』にて、移植適応のある新規多発性骨髄腫患者を対象に新規プロテアソーム阻害薬であるカルフィルゾミブ(商品名:カイプロリス、以下カイプロリス)+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法、自家造血幹細胞移植併用大量化学療法の有効性、安定性を比較検証した第2相のUNITO-MM-01/FORTE試験(NCT02203643)の結果がUniversity of TorinoのFrancesca Gay氏らにより公表された。

UNITO-MM-01/FORTE試験は、移植適応のある新規多発性骨髄腫患者(N=474人)に対する導入療法としてカイプロリス+レナリドミド+デキサメタゾン(KRd)併用療法を実施後、自家造血幹細胞移植併用大量化学療法を実施し、コンソリデーション療法としてカイプロリス+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法を行う群、もしくは導入療法としてカイプロリス+シクロスファミド+デキサメタゾン(KCd)併用療法を実施後、自家造血幹細胞移植併用大量化学療法を実施し、コンソリデーション療法としてカイプロリス+シクロスファミド+デキサメタゾン併用療法を行う群に無作為に振り分け、主要評価項目として導入療法後の最良部分奏効率(VGPR)を比較検証したオープンラベルの第2相試験である。なお、コンソリデーション療法後は、維持療法としてカイプロリス+レナリドミド併用群、レナリドミド単剤群に振り分けられた。

本試験が開始された背景として、移植適応のある新規多発性骨髄腫患者に対する導入療法、コンソリデーション療法はボルテゾミブベースの治療が現在の標準治療である。以上の背景より、新規プロテアソーム阻害薬カイプロリスベースの導入療法、コンソリデーション療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験のフォローアップ期間中央値50.9ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である最良部分奏効率(VGPR)は、カイプロリス+レナリドミド+デキサメタゾン併用群の70%(N=222/315人)に対して、カイプロリス+シクロスファミド+デキサメタゾン併用群で53%(N=84/159人)と、カイプロリス+レナリドミド+デキサメタゾン併用群で高率(OR 2.14, 95%信頼区間:1.44~3.19,P=0.0002)であった。

また、維持療法を受けた356人の患者における3年無増悪生存率(PFS)はカイプロリス+レナリドミド併用群(N=178人)の75%(95%信頼区間:68~82%)に対してレナリドミド単剤群(N=178人)で65%(95%信頼区間:58~72%)を示し、カイプロリス+レナリドミド併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを36%減少(HR:0.64,95%信頼区間:0.44~0.94,P=0.023)した。

以上のUNITO-MM-01/FORTE試験の結果よりFrancesca Gay氏らは以下のように結論を述べている。”移植適応のある新規多発性骨髄腫患者に対するカイプロリス+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法、自家造血幹細胞移植併用大量化学療法の最良部分奏効率(VGPR)は非常に高率でした。また、維持療法としてのカイプロリス+レナリドミド併用療法は、レナリドミド単剤療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を改善しました。”

Carfilzomib with cyclophosphamide and dexamethasone or lenalidomide and dexamethasone plus autologous transplantation or carfilzomib plus lenalidomide and dexamethasone, followed by maintenance with carfilzomib plus lenalidomide or lenalidomide alone for patients with newly diagnosed multiple myeloma (FORTE): a randomised, open-label, phase 2 trial(Lancet Oncol. 2021 Nov 11;S1470-2045(21)00535-0. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00535-0.)
ニュース 多発性骨髄腫 カルフィルゾミブ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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