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プラチナ系抗がん剤治療後に病勢進行した進行性非小細胞肺がんに対するPlinabulin+ドセタキセル併用療法、全生存期間10.5ヶ月を示す

[公開日] 2021.10.11[最終更新日] 2021.10.11

この記事の3つのポイント ・プラチナ系抗がん剤治療後に病勢進行した進行性非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験 ・Plinabulin(プリナブリン)+ドセタキセル併用療法の有効性・安全性を比較検証 ・全生存期間はPlinabulin+ドセタキセル併用群で10.5ヶ月を示し、  プラセボ+ドセタキセル併用群より死亡リスクを18%減少

2021年9月23日~26日、バーチャルで開催されたの欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2021)にて、プラチナ系抗がん剤治療後に病勢進行した進行性非小細胞肺がん患者に対するPlinabulin(プリナブリン)+ドセタキセル併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のThe DUBLIN-3試験(NCT02504489)の結果がthe Piedmont Cancer Institute in AtlantaのTrevor Feinstein氏らにより公表された。

The DUBLIN-3試験は、プラチナ系抗がん剤治療後に病勢進行した進行性非小細胞肺がん患者(N=278人)に対して21日を1サイクルとして1、8日目にPlinabulin30mg/m2+1日目にドセタキセル75mg/m2併用療法を実施する群、または21日を1サイクルとしてプラセボ+1日目にドセタキセル75mg/m2併用療法を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)などを比較検証したランダム化の第3相試験である。

本試験が開始された背景として、進行性非小細胞肺がんに対するファーストライン治療の標準治療は免疫チェックポイント阻害薬であり、2次、3次治療以降はドセタキセルベースの治療レジメンである。ドセタキセルベースの治療は全生存期間(OS)を改善するものの、安全性、QOLを悪化させる可能性が示唆されている。以上の背景より、2次、3次治療以降の治療としてのPlinabulinの有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はPlinabulin+ドセタキセル併用群10.5ヶ月に対してプラセボ+ドセタキセル併用群9.4ヶ月、Plinabulin+ドセタキセル併用群で死亡(OS)のリスクが18%減少(HR: 0.82、95%信頼区間:0.68~0.99、P=0.0399)した。

24ヶ月全生存率(OS)はPlinabulin+ドセタキセル併用群の22.1%に対してプラセボ+ドセタキセル併用群で12.5%、36ヶ月全生存率(OS)はPlinabulin+ドセタキセル併用群の11.7%に対してプラセボ+ドセタキセル併用群で5.3%、48ヶ月全生存率(OS)はPlinabulin+ドセタキセル併用群の10.6%に対してプラセボ+ドセタキセル併用群で0%を示した。

一方の安全性として、グレード4の好中球減少症発症率はPlinabulin+ドセタキセル併用群5.3%に対してプラセボ+ドセタキセル併用群27.8%(P<0.001)を示した。

以上のThe DUBLIN-3試験の結果よりTrevor Feinstein氏らは「プラチナ系抗がん剤治療後に病勢進行した進行性非小細胞肺がん患者に対するPlinabulin+ドセタキセル併用療法は全生存期間(OS)を改善し、安全性を良好でした。これは非小細胞肺がんの2次、3次治療の好ましい選択肢になり得る可能性があります」と結論を述べた。

DUBLIN-3: PLINABULIN–DOCETAXEL IMPROVES ADVANCED NSCLC OUTCOMES(ESMO Congress 2021)
ニュース 肺がん プリナブリン

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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