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HER2陽性進行性胃がんに対するエンハーツ単剤療法、客観的奏効率38%を示す

[公開日] 2021.10.06[最終更新日] 2021.10.06

この記事の3つのポイント ・HER2陽性進行性胃がん患者が対象の第2相試験 ・二次治療以降のエンハーツ単剤療法の有効性・安全性を検証 ・客観的奏効率は38.0%であり、完全奏効率は3.8%を示した

2021年9月18日に英アストラゼネカ社のプレスリリースにて、HER2陽性進行性胃がんの二次治療以降として抗HER2抗体薬物複合体であるエンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン、開発コード:DS-8201、以下エンハーツ)単剤療法の有効性と安全性を検証した第2相のDESTINY-Gastric02試験(NCT04014075)の結果が公表された。なお、同試験の結果は、9月23日~26日にバーチャルにて開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2021)でも発表された。

DESTINY-Gastric02試験は、治療歴のあるHER2陽性進行性胃がんに対して3週を1サイクルとしてエンハーツ6.4mg/kg単剤療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏効持続期間(DOR)などを検証した国際多施設共同オープンラベルシングルアームの第2相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値5.7ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は38.0%(95%信頼区間:27.3~49.6%)であり、奏効の内訳は完全奏効率(CR)が3.8%、部分奏効率(PR)が34.2%、病勢安定率(SD)が43.0%を示した。

副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は5.5ヶ月(95%信頼区間:4.2~7.3ヶ月)、奏効持続期間(DOR)中央値は8.1ヶ月(95%信頼区間:4.1ヶ月~未到達)を示した。また、病勢コントロール率(DCR)は81%(95%信頼区間:70.6~89.0%)であった。

一方の安全性として、既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルは一致していた。最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は貧血が7.6%、好中球減少症が7.6%、吐き気が3.8%、倦怠感が3.8%を示した。間質性肺炎は7.6%(N=6人)の患者で確認され、発症した大半の患者はグレード1もしくはグレード2であった。

以上のDESTINY-Gastric02試験の結果よりUniversity Hospitals LeuvenのEric Van Cutsem氏は「HER2陽性進行性胃がんに対するエンハーツ単剤療法は、良好な抗腫瘍効果を示した」と結論を述べている。

Enhertu demonstrated clinically meaningful and durable response in patients with HER2-positive advanced gastric cancer in DESTINY-Gastric02 Phase II trial(AstraZeneca Press Releases)
ニュース 胃がん NCT04014075

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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