経口HSP90阻害剤ピミテスピブ、 消化管間質腫瘍(GIST)に対する適応で承認申請-大鵬薬品工業-


  • [公開日]2021.09.14
  • [最終更新日]2021.09.14

大鵬薬品工業株式会社は9月14日、経口Heat Shock Protein(HSP)90阻害剤(一般名:ピミテスピブ、開発コード:TAS-116)について、厚生労働省に「がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍」に対する製造販売承認申請を行ったと発表した。

今回の承認申請は、既治療のGIST患者を対象に、ピミテスピブの有効性安全性プラセボと比較した第III相臨床試験である「CHAPTER-GIST-301試験」の結果に基づくもの。同試験の主要評価項目無増悪生存期間PFS)、副次評価項目全生存期間OS)、安全性、Quality of LifeQOL)など。同試験はGISTに対してイマチニブスニチニブおよびレゴラフェニブの治療歴がある20歳以上の81名を対象に日本国内で実施された。

同試験において、ピミテスピブは主要評価項目のPFSを有意に延長し、また安全性において特に問題となるような事象は観察されなかった。なお、同試験の結果は、2021年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されている。

ピミテスピブは、大鵬薬品が創製した化合物。HSP90を阻害することで、がんの増殖や生存などに関与するKIT、PDGFRA、HER2やEGFRなどのタンパクを不安定化し、減少させることで抗腫瘍効果を示す。

HSP90は、ストレスに反応して発現が上昇するタンパク質。がん細胞や腫瘍組織に多く発現しており、活性の高い状態で存在することから、特にがんの生存・維持に重要であることが知られている。GIST、膀胱がん、急性骨髄性白血病、乳がん、非小細胞肺がん、大腸がん、黒色腫におけるHSP90の発現は、がんの進行や患者の予後と相関しているといわれている。

参照元:
大鵬薬品工業株式会社 ニュースリリース

×

リサーチのお願い


この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン