2021年6月4日~8日、オンラインミーティングで開催された第57回米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)にて進行性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるヤーボイ(一般名:イピリムマブ、以下ヤーボイ)+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCheckMate-9LA試験(NCT03215706)の2年フォローアップ解析の結果がAirway Research Center NorthのMartin Reck氏らにより公表された。
CheckMate-9LA試験は、進行性非小細胞肺がん患者に対して3週を1サイクルとしてオプジーボ360mg+6週を1サイクルとしてヤーボイ1mg/kg+化学療法2サイクルを病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで最大2年間投与する群(N=361人)、または化学療法を最大4サイクル投与し、その後維持療法としてペメトレキセド単剤療法を投与する群(N=358人)に無作為に振り分け、主要評価項目としてIntent-To-Treat(ITT)集団での全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全奏効率(ORR)を比較検証した第3相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値24.4ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価評価項目であるIntent-To-Treat(ITT)集団での全生存期間(OS)中央値はオプジーボ+ヤーボイ+化学療法群15.8ヶ月に対して化学療法群11.0ヶ月と、オプジーボ+ヤーボイ+化学療法群で死亡(OS)のリスクを28%減少(HR:0.72、95%信頼区間:0.61-0.86)を示した。また、2年全生存率(OS)はオプジーボ+ヤーボイ+化学療法群38%に対して化学療法群26%を示した。
副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はオプジーボ+ヤーボイ+化学療法群6.7ヶ月に対して化学療法群5.3ヶ月と、オプジーボ+ヤーボイ+化学療法群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを33%減少(HR:0.67、95%信頼区間:0.56-0.79)を示した。客観的奏効率(ORR)はオプジーボ+ヤーボイ+化学療法群38%に対して化学療法群25%を示した。
一方の安全性として、全グレードの有害事象(AE)発症率はオプジーボ+ヤーボイ+化学療法群92%に対して化学療法群48%、グレード3~4の有害事象(AE)発症率はオプジーボ+ヤーボイ+化学療法群88%に対して化学療法群38%をそれぞれ示した。
以上のCheckMate-9LA試験の2年フォローアップ解析の結果よりMartin Reck氏らは「進行性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ+化学療法は、持続的な抗腫瘍効果を示し、2年間投与でも新たな有害事象(AE)は確認されませんでした」と結論を述べている。
First-line nivolumab (NIVO) plus ipilimumab (IPI) plus two cycles of chemotherapy (chemo) versus chemo alone (4 cycles) in patients with advanced non-small cell lung cancer (NSCLC): Two-year update from CheckMate 9LA.(2021 ASCO Annual Meeting,Abstract No:9000)