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再発/転移性頭頸部扁平上皮がんに対するキイトルーダ+アービタックス併用療法、客観的奏効率45%を示す

[公開日] 2021.05.25[最終更新日] 2021.05.25

この記事の3つのポイント ・再発/転移性頭頸部扁平上皮がん患者が対象の第2相試験 ・キイトルーダ+アービタックス併用療法の有効性・安全性を検証 ・抗PD-(L)1抗体薬、抗EGFR抗体薬治療歴のない患者における客観的奏効率は45%で、  臨床的に期待できる抗腫瘍効果を示した

2021年5月11日、医学誌『The Lancet Oncology』にて再発/転移性頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)患者に対する抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)+抗EGFR抗体薬であるアービタックス(一般名:セツキシマブ、以下アービタックス)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03082534)のコホート1の結果がMoores Comprehensive Cancer CenterのAssuntina G Sacco氏らにより公表された。

本試験は、再発/転移性頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)患者に対して3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg+週1回アービタックス250mg/m2(初回は400mg/m2)併用療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)などを検証した第2相試験である。なお、本試験は3つのコホートに分かれており、コホート1は前治療歴として抗PD-1抗体薬、抗PD-L1抗体薬、抗EGFR抗体薬のない再発/転移性頭頸部扁平上皮がん患者である。

本試験が開始された背景として、再発/転移性頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法、抗EGFR抗体薬アービタックス単剤療法は、それぞれ単剤でも抗腫瘍効果を示す可能性が示唆されている。以上の背景より、再発/転移性頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)に対して良好な抗腫瘍効果を示し、標的の異なる両剤を併用する抗PD-1抗体薬キイトルーダ+抗EGFR抗体薬アービタックス併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験のフォローアップ期間中央値7.3ヶ月時点におけるコホート1の33人の結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は45%(95%信頼区間:28~62%、N=15/33人)を示した。最も多くの患者で確認されたグレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)は口腔粘膜炎9%(N=3人)、治療関連の重篤な有害事象(SAE)は15%(N=5人)を示した。なお、治療関連有害事象(TRAE)による死亡は確認されていなかった。

以上の第2相試験の結果よりAssuntina G Sacco氏らは「再発/転移性頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ+抗EGFR抗体薬アービタックス併用療法は、臨床で期待のできる抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。

Pembrolizumab plus cetuximab in patients with recurrent or metastatic head and neck squamous cell carcinoma: an open-label, multi-arm, non-randomised, multicentre, phase 2 trial(Lancet Oncol. 2021 May 11; S1470-2045(21)00135-4. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00136-4.)
ニュース 頭頸部がん NCT03082534

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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