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新規多発性骨髄腫に対するカイプロリス+レブラミド+デキサメタゾン+ダラザレックス併用療法、微小残存病変陰性率71%を示す

[公開日] 2021.05.14[最終更新日] 2021.05.14

この記事の3つのポイント ・新規多発性骨髄腫患者が対象の第2相試験 ・カイプロリス+レブラミド+デキサメタゾン+ダラザレックス併用療法の有効性・安全性を検証 ・微小残存病変陰性率は71%であった

2021年4月15日、医学誌『JAMA Oncology』にて新規多発性骨髄腫患者に対するプロテアソーム阻害薬であるカイプロリス(一般名:カルフイルゾミブ、以下カイプロリス)+レブラミド(一般名:レナリドマイド、以下レブラミド)+デキサメタゾン+抗CD38モノクローナル抗体であるダラザレックス(一般名:ダラツムマブ、以下ダラザレックス)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相The MANHATTAN試験の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのOla Landgren氏らにより公表された。

The MANHATTAN試験とは、新規多発性骨髄腫患者に対して28日を1サイクルとして1、8、15日目にカイプロリス20/56mg/m2+1~21日目にレブラミド25mg+週1回デキサメタゾン20/40mg+1、8、15、22日目(3~6サイクル目は1、15日目、7、8サイクル目は1日目)にダラザレックス16mg/kg併用療法を投与し、主要評価項目として微小残存病変(MRD)陰性率、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性等を検証した第2相試験である。

本試験は、新規多発性骨髄腫患者に対して大量化学療法、造血幹細胞移植を実施せず、プロテアソーム阻害薬カイプロリス+レブラミド+デキサメタゾン+抗CD38モノクローナル抗体ダラザレックス併用療法の有用性を検証するために開始された。

本試験に登録された41人の患者背景は下記の通りである。年齢中央値は59歳(30~70歳)。性別は女性61%(N=25人)。49%(N=20人)はハイリスク患者であった。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

主要評価項目である微小残存病変(MRD)陰性率は71%(N=29人、95%信頼区間:54~83%)の患者で達成された。なお、微小残存病変(MRD)陰性達成までの中央値は6サイクルを示した。

副次評価項目である客観的奏効率(ORR)は100%、完全奏効率(CR)95%を示した。フォローアップ期間中央値11ヶ月時点における1年無増悪生存率(PFS)は98%(95%信頼区間:93~100%)、1年全生存率(OS)は100%示した。

最も多くの患者で確認されたグレード3~4の有害事象(AE)は好中球減少症27%(N=12人)、皮膚障害9%(N=4人)、肺感染症7%(N=3人)、ALT増加4%(N=2人)の患者で確認された。なお、有害事象(AE)を原因とした死亡は確認されていない。

以上のThe MANHATTAN試験の結果よりOla Landgren氏らは「新規多発性骨髄腫患者に対するプロテアソーム阻害薬カイプロリス+レブラミド+デキサメタゾン+抗CD38モノクローナル抗体ダラザレックス併用療法は、微小残存病変(MRD)陰性率を向上させ、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)も良好でした」と結論を述べている。

Safety and Effectiveness of Weekly Carfilzomib, Lenalidomide, Dexamethasone, and Daratumumab Combination Therapy for Patients With Newly Diagnosed Multiple Myeloma The MANHATTAN Nonrandomized Clinical Trial(JAMA Oncol. 2021 Apr 15. doi: 10.1001/jamaoncol.2021.0611.)
ニュース 多発性骨髄腫 プロテアソーム阻害薬

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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