経口HSP90阻害剤TAS-116、既治療のGIST患者を対象とする第3相試験で無増悪生存期間を有意に延長ー大鵬薬品ー


  • [公開日]2021.02.22
  • [最終更新日]2021.02.22

2月22日、大鵬薬品工業株式会社は既治療の消化管間質腫瘍(GIST)患者を対象に経口Heat Shock Protein(HSP)90阻害剤「TAS-116(一般名:ピミテスピブ)」とプラセボを比較した第3相臨床試験である「CHAPTER-GIST-301試験」にて、主要評価項目である無増悪生存期間PFS)を有意に延長する結果が得られたと発表した。

GISTは、消化管の壁にでき、転移再発を起こす悪性腫瘍であり、肉腫の一種。日本国内における年間罹患数は、約1500~2500人と推定される希少がんである。多くのGISTでは、がんの増殖や生存などに関与するKIT、PDGFRA遺伝子変異を有している。

CHAPTER-GIST-301試験は、標準治療薬に不応または不耐と判断されたGIST患者を対象に、TAS-116とプラセボを比較した無作為割付・二重盲検の第3相臨床試験。同試験の主要評価項目はPFSで、副次評価項目全生存期間OS)、安全性生活の質QOL)などである。なお、同試験はイマチニブスニチニブおよびレゴラフェニブの治療歴がある20歳以上のGIST患者81名を対象に日本で実施された。

なお、同試験の結果は今後、学術集会や学術雑誌での公表を予定としている。

Heat Shock Protein(HSP)90とは
HSP90はストレスに反応して発現が上昇し、タンパク質の機能的構造の形成促進・維持を通じて細胞をストレスから守る。HSP90はがん細胞および腫瘍組織に多く発現しており、活性の高い状態で存在することから、がんの生存・維持に重要であることが知られている。

TAS-116とは
TAS-116は、大鵬薬品が創製した化合物。HSP90を阻害することでがんの増殖や生存などに関与するKIT、PDGFRA、HER2やEGFRなどのタンパクを不安定化し、減少させることで抗腫瘍効果を示す。

参照元:
大鵬薬品工業株式会社 ニュースリリース

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